研究課題/領域番号 |
63010046
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
古賀 成昌 鳥取大学, 医学部, 教授 (90093591)
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研究分担者 |
久住 治男 金沢大学, 医学部, 教授 (70019537)
柄川 順 国立がんセンター, 放射線治療部, 部長
阿部 光幸 京都大学, 医学部, 教授 (00025587)
杉町 圭蔵 九州大学, 医学部, 教授 (00038762)
水品 静夫 静岡大学, 工学部, 教授 (00021999)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
1988年度: 12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
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キーワード | 温熱療法 / 深部加温 / 温熱化学療法 / 温熱放射線療法 / 深部臓器 / 無侵襲的温度測定 |
研究概要 |
研究の成果:体内深部の無侵襲的温度測定法の確立については成果が得られつつある。即ち、生体が各部の温度に比例した強度で放射する極微弱マイクロ波雑音を体表面のアンテナを介してラジオメーターで測定すると、体表からある深さまでの組織平均温度の絶対値がわかる。これを複数の周波数において行うと、体表からの深さの関数として深部臓器の温度分布を無侵襲的に把握できる(水品)。臨床面の研究の現状は以下のごとくである。胃癌の癌性腹膜炎の予防として、制癌剤を併用した持続温熱腹膜潅流が施行されたが、randomized control studyにより、本法による有意の腹膜再発抑制効果が示された(古賀)。食道癌および直腸癌に対し、術前に内腔アンテナによる温熱療法が施行されたが(放射線と化学療法併用)、従来の術前療法に比べて高い癌腫縮小率、組織学的効果が示された(杉町、井手)。肝腫瘍における腫瘍温度上昇阻止因子は巨大腫瘍、脂肪にの厚いものなどて、一方、肝動脈塞栓や門脈塞栓は温度上昇に促進的に作用した。肝腫瘍の温熱療法の治療効果の特徴として、腫瘍経は不変でも、CT上で壊死を示す低吸収域が高率に出現することが確認された(阿部、柄川)。膀胱癌では浸潤性癌38例に局所温熱療法(放射線または化学療法併用)がなされ、CR3例、PR12例、MR9例と本法の有用性が示された(久住)。 今後の研究の進め方:無侵襲的温度測定では、アンテナとラジオメーターをつなぐ同軸ケーブルの温度変化に伴う輝度温度測定値のドリフト補正技術の確立による測定精度向上が急務である。臨床面では、放射線療法や化学療法との合理的併用法の確立が重要である。さらに、温熱療法による再発・転移予防効果あるいは遠隔生存率への影響・深部加温による正常臓器の晩期障害効果の検討などとともに、確実な深部臓器加温のために、加温装置の開発、改良なども重要な課題である。
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