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癌転移に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63010047
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関広島大学

研究代表者

横路 謙次郎  広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (70034618)

研究分担者 山本 雅  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40134621)
杉本 芳一  癌研究所, 癌科学療法センター, 研究員 (10179161)
新津 洋司郎  札幌医科大学, 教授 (10045502)
谷口 俊一郎  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60117166)
竹市 雅俊  京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
1988年度: 15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
キーワード癌転移 / 細胞接着分子 / 転移と糖蛋白質 / 癌遺伝子 / 転移と血小板凝集活性
研究概要

本班の目的は癌転移機構の解明に資する基礎的データの提供にあるが、得られた成果は以下に要約される。(1)細胞間接着分子E-cadherinの性状を明らかにするとともに、低転移性実験腫瘍における高度の発現と比較して、高転移腫瘍ではその発現が低く、かつ、不安定であることが示された。(2)転移能の上昇に伴ってactin 蛋白の減少ないし消失がみられ、また、全蛋白のチロシンリン酸化量は増加した。(3)v-fos遺伝子導入による転移能の増強を確認したが、それら細胞では増殖能(in vitro、i.m.)、肺定着能、基底膜成分への接着性の増強などはみられず、浸潤能の増強及び腫瘍線維性被膜の形成低下とが観察された。(4)従来のactinとは異なる新種actin(Ax)を発見するとともに、高転移性B16メラノーマにおけるその消失、あるいは極端な減少、らさに細胞の浸潤性、転移能増強とその発現低下が相関していることが明らかにされた。(5)転移能とoncogene発現の相関をMC誘発肉腫細胞で検討した結果、高転移クローンではfyn及びsisの発現増加がみられたが、c-myc及びc-Ha-rasには変化がなかった。(6)マウス結腸癌(colon26)から樹立した肺高転移株(Nl-17)に対するモノクローナル抗体(8F11及び20A11)がNL-17が示す血小板擬集能を抑制し、かつ44kDaの膜蛋白を認識していることを明らかにした。さらにB16メラノーマに対するそれら抗体の反応性を調べたところ、転移能に比例して結合性の強いことが明らかにされた。(7)転移腫瘍の細胞構成を解析するために、MC誘発マウス肉腫細胞からネオマイシン耐性遺伝子で標識した23個のクローンを得、それらを混合してマウスに接種したところ、移植第三代で腫瘍はすでに単クローンによって構成されていることが示された。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nose,A.;Nagafuchi,A.;Takeichi,M.: Cell. 54. 993-1001 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Yokota,J.;Yamamoto,T.;Miyajima,N.;Toyoshima,K.;Nomura,N.;Sakamoto,H.;Yoshida,T.;Terada,M.;Sugimura,T.: Oncogene. 2. 283-287 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Watanabe,M.;Okochi,E.;Sugimoto,Y.;Tsuruo,T.: Cancer Research. 48. 6411-6416 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Ozawa,M.;Huang,R.-P.;Furukawa,T.;Muramatsu,T.: Journal of Biological Chemistry. 263. 3059-3062 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Taniguchi,S.;Sagara,J.;Kakunaga,T.: Journal of Biochemistry. 103. 707-713 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Niitsu,Y.;Ishigaki,S.;Kogawa,K.;Mogi,Y.;Watanabe、N.;Kohgo,Y.;Urushizaki,I.: Invasion and Metastasis. 8. 57-72 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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