研究課題/領域番号 |
63010055
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高津 聖志 熊本大学, 医学部, 教授 (10107055)
|
研究分担者 |
熊谷 勝男 東北大学, 医学部, 教授 (00005018)
菅村 和夫 東北大学, 医学部, 教授 (20117360)
藤原 大美 大阪大学, 医学部, 助教授 (70116094)
平野 俊夫 大阪大学, 細胞工学センター, 助教授 (40136718)
吉永 秀 熊本大学, 医学部, 教授 (90040196)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1988年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
|
キーワード | サイトカイン / サイトカインレセプター / エフェクター細胞 / CTL / NK骨髄腫細胞 / 慢性B白血病細胞 / セリンエステラーゼ |
研究概要 |
エフェクター細胞への分化にはリンパ球間相互作用、あるいはリンパ球とエフェクター前駆細胞間の相互作用が必須であり、それらの多くはリンパ球から産生されるサイトカインにより調節されている。本研究は腫瘍免疫誘導ないし増強に関与するサイトカインおよびそれらの標的細胞上のレセプター系を中心にエフェクター細胞の機能分化を明らかにすることをその研究目的としている。本年度は各研究班員のこれ迄の研究を中心に研究を進めて頂くようにした。(1)腫瘍内浸潤ヘルパーT細胞が、細胞傷害性T細胞(cytotoxic T cell、CTL)前駆細胞を局所に呼び集める因子を産生することが示され、その物質の部分精製がなされた。(2)IL-4、IL-5、IL-6などはそれぞれ単独ないしIL-2と相乗的にCTL前駆細胞に作用し、CTLの生成を強化させる。(3)IL-5はマウス慢性B白血病細胞をIgM産生細胞に分化せしめるとともに、その細胞表面上にIL-2受容体の発現を増強させ、IL-2に応答しやすくさせる。(4)慢性B白血病細胞の膜表面上には2種類(高親和性及び低親和性)受容体を発現しており、IL-5は高親和性IL-5受容体を介してシグナル伝達される。IL-5応答細胞株化B細胞上にも類似のIL-5受容体の発現がある。(5)IL-6は骨髄腫細胞の増殖因子であることが示され、IL-6受容体をコードするcDNAの単離及びその全構成の決定がなされた。(6)リンホトキシン、TNF、IL-1αなどがIL-2受容体の発現を(T細胞上)増強させることが明らかとなった。(7)抗T_3抗体を用いたT細胞活性化のモデルを用い、T細胞寛容誘導のモデル機構が提唱された。(8)ナチュラルキラー細胞(NK)の発生・分化の解析が細胞表面抗体の検索よりなされ、担癌状態におけるNKの意義が示された。(9)CTLが実際に標的細胞に作用する際の分子機構につき、セリンエステラーゼの活性化、プロテインキナーゼCの活性化などの重要性が示された。
|