研究課題/領域番号 |
63010059
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
伊藤 信行 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (00079956)
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研究分担者 |
小西 陽一 奈良県立医科大学, 附属がんセンター, 教授 (00075061)
中村 敏一 九州大学, 理学部, 教授 (00049397)
大澤 俊彦 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00115536)
益子 高 東北大学, 薬学部, 教務職員 (30157200)
藤田 潤 大阪大学, 医学部, 助教授 (50173430)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
1988年度: 13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
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キーワード | マーカー / BrdU / H-ras遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / c-erbB-2癌遺伝子 / PDGI-α / TGF-β / γ-GT / 細気管支肺過形成 / 基底細胞過形成 / 扁平上皮過形成 / 抗酸化剤 / 可逆性 |
研究概要 |
伊藤はMNNGおよびBHAによる前胃発癌における増殖性病変の可逆性について検討し、増殖性の過形成病変は細胞骨格形質発現の異なる扁平上皮過形成と基底細胞過形成の二つに大別されることを示した。またBrdUによる細胞動態による検索より、両者とも可逆性を示すがその可逆化は病変を構成する細胞寿命の短い扁平上皮過形成がより顕著であることを明らかにした。藤田はヒト腎癌の遺伝子解析よりH-ras癌遺伝子の点突然変異が発癌早期に出現し、この遺伝子単独では形態変化を誘導するには不充分であることを明らかにした。さらに第3および第11染色体の欠失などによる癌遺伝子の活性化と癌抑制遺伝子の不活性化など複数因子の関与を示唆した。益子は細胞増殖関連抗原gp125のモノクローナル抗体を作成し膀胱上皮再生ならびに癌発生過程においての増量を確認し、また、ヒトc-erbB-2癌遺伝子産物に特異的なモノクローナル抗体を作成した。大沢はt-ブチルヒドロペルオキシドにより誘導された赤血球膜ゴーストの酸化的障害が除去修復欠損株である大腸菌WP2s株に対してDNA障害を引き起こす事を示し、また茶カテキン類、生薬やハーブに多く含まれるタンニン類縁体などの水溶性抗酸化成分が強い脂質過酸化抑制作用のみならずDNA障害をも阻止し得ることを見出した。中村は成熟肝細胞の強力な増殖抑制因子であるPDGI-α(platelet derived growth inhibitor-α)をラット及びヒト血小板から純化し、その性質を明らかにし、またPDGI-αやTGF-βの調節タンパク質としての役割を担う masking protein をヒト血小板より精製し、その分子構成ならびに部分アミノ酸配列を決定した。小西はラット BHP肺癌発生過程に出現するγ-GT陽性と陰性の細気管支肺胞過形成を比較し、γ-GT陽性過形成の高い増殖率と腫瘍および腺癌への移行を示唆する結果よりγ-GT陽性過形成が末梢性肺腺癌の早期病変である事などを示した。
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