研究課題/領域番号 |
63010064
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 隆一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40112685)
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研究分担者 |
江角 浩安 国立がんセンター, 研究所・生化学部, 部長 (70160364)
大西 克成 徳島大学, 医学部, 教授 (10037400)
出川 雅邦 東北大学, 薬学部, 助手 (50134002)
渡部 烈 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00057316)
渡辺 民朗 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (40006101)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
1988年度: 12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
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キーワード | 化学発癌 / 代謝的活性化 / ヒトへの外挿 / チトクロムP-450 / N-水酸化体 |
研究概要 |
化学発癌の第一のステップである癌原物質の代謝的活性化には著しい種差、系統差および性差が存在するので、その実態を明らかにし、実験動物の発癌性および代謝的活性化のデータから、ヒトにおける発癌性の予測に役立つデータの蓄積を目標とした。 チトクロムP-450レベルでの研究ではサルの肝よりアフラトキシンB_1に強い代謝的活性化能を持つ新しいP-450(P-450-MK_2)を精製し、そのクローニングを行い、ヒトのP-450NFと90%以上の相同性を示すことを明らかにした。さらに、ハムスター肺よりP-450IAIを精製し、肺のみに特異的に発現していること、肝ではラットのP-450cに高いホモロジーを持つものが存在することが明らかにされた。芳香族アミンを代謝的活性化するP-450については、芳香族アミンの投与による活性化酵素の誘導および基質特異性には著しい種差、臓器差の存在することが明らかにされた。ニトロピレン類の代謝的活性に関する種差の特徴として、モルモットやハムスターではエポキシド生成能が高く、ヒトではエポキシド水解酵素活性が非常に強く、ラットおよびマウスでは、グルタチオンS-トラスフェラーゼ活性の方が高いことが明らかにされた。また、ヒドロキシルアミンのO-スルホニル化の活性およびDNAとの結合には著しい種差および性差が存在し、イヌではN-OH-Glu-P-1の活性が欠如し、またN-OH-IQの活性はラットのみに認められることなどが明らかにされた。ヘテロサイクリックアミン投与後のDNAへのadductの生成に関しては(^<32>Pポストラベル法による検討)ラット及びサルでの研究が進行し、質的には同じadductが生成されることが分かった。 本研究を通じ、代謝的活性化の種差の著しいこと、その研究の重要性が認識されたので、今後さらにそのデータの蓄積が必要であろう。
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