研究課題/領域番号 |
63010070
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
林 伸一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50028297)
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研究分担者 |
鮫島 啓二郎 城西大学, 薬学部, 教授 (00072413)
五十嵐 一衛 千葉大学, 薬学部, 教授 (60089597)
森沢 成司 大阪市立大学, 医学部, 教授 (90046813)
鈴木 不二男 大阪大学, 歯学部, 教授 (40028717)
大島 泰郎 東京工業大学, 理学部, 教授 (60167301)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
22,100千円 (直接経費: 22,100千円)
1988年度: 22,100千円 (直接経費: 22,100千円)
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キーワード | ポリアミン / ポリアミン合成阻害剤 / 制がん剤 / オルニチン脱炭酸酵素 / スペルミジン / スペルミン / S-アデノシルメチオニン脱炭酸酵素 / 転移抑制 |
研究概要 |
有効な制がん剤としてのポリアミン合成阻害剤を開発するため、3年計画の最終年度に当たる本年度は以下の成果を得た。1.ポリアミンの役割:高度好熱菌の長鎖ポリアミンは通常のポリアミンに比してDNA安定化作用が強く、このことからDNA安定化がポリアミンの生理作用のひとつであることが支持された(大島)。小腸粘膜の分化にはプトレツシンが、マクロフアージの融合にはスペルミジンが必須の役割を果たすことが示された(須田)。2.代謝と調節:オルニチン脱炭酸酵素の調節が遺伝子転写、翻訳、および酵素分解の過程でなされ、分解調節には阻害蛋白質アンチザイムが関与することを確かめた(林)。スペルミジン合成酵素を純化し、抗体を得た(鮫島)。3.がんの病態とポリアミン:高感度ポリアミン分析法を開発し、がん組織および担がん生体におけるポリアミン代謝の特殊性を検討した(永津、松崎、大橋、森沢、大沢)。また、ポリアミン代謝に対する発がんプロモーターの効果を解析した(藤木)。4.ポリアミン合成阻害剤の開発と抗腫瘍効果:系統的検索によって、4-メチルシクロヘキシアミンなどのスペルミジン合成酵素阻害剤を開発し、さらにいくつかのスペルミン合成酵素阻害剤を作製した(鮫島)。これらの阻害剤の抗腫瘍効果は現在検討中である。メチルチオアデノシンホスホリラーゼ阻害剤として開発したジフルオロメチルチオアデノシンががん細胞の浸潤を顕著に抑制することをインビトロの系で確かめた(井上)。多種のS-アデノシルメチオニン脱炭素酵素阻害剤を系統的に検索し、メチルグリオキサルビスシクロペンチルアミジノヒドラゾンがスペルミジンおよびスペルミン合成酵素をも阻害し、制がん効果を有することを確かめた(中島)。また、ジフルオロメチルオルニチンが腫瘍血管造成(鈴木)と転移(大沢)を抑えること、他制がん剤と相乗効果を示すこと(五十嵐、大沢、高見)を確かめた。
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