研究課題/領域番号 |
63010085
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
西村 暹 国立がんセンター, 研究所・生物学部, 部長 (20076970)
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研究分担者 |
山本 順寛 東京大学, 工学部, 助手 (60134475)
上野 芳夫 東京理科大学, 薬学部, 教授 (00084418)
林 裕造 国立衛生試験所, 病理部, 部長 (40142129)
伊東 信行 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (00079956)
葛西 宏 国立がんセンター, 研究所・生物学部, 室長 (40152615)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
18,900千円 (直接経費: 18,900千円)
1988年度: 18,900千円 (直接経費: 18,900千円)
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キーワード | 8-ヒドロキシデオキシグアニン / 酸素ラジカル / ペルオキシゾーム増性 / 化学発がん / 変異 / トランスフォーメーション / C-Ha-ras |
研究概要 |
1.ペルオキシゾーム増生剤であり、且つ発がん物質であるcisProfibrateをラットに投与し、発がん標的臓器である肝DNAの8-ヒドロキシデオキシグアニン(8-OH-dG)を定量したところ、少量長期間投与で8-OH-dGに顕著な増加がみられた。この結果は発がん過程で細胞内DNA中に実際に酸化的DNA損傷がおこっていることを示している。又かみタバコと口腔粘膜細胞DNA中の8-OH-dGの関連について、100例を分析したところ、数例の前がん病変をもつ人で高い値が得られた。高危険グループのスクリーニングに応用できる可能性がある。2.カテコール、その異性体と誘導体を、少量のMNAN、MNNGで発がんイニシェーションさせたラットにあたえたところ、明らかに胃がん発生を増加させた。このことは、酸素ラジカルのプロモーター作用を示すものである。3.腸内細菌によるコール酸分解物、4-(deca hydro-6-methyl-3-oxocyclopenta〔f〕-quinoline-7-β-yl)valeric acidにペルオキシゾーム増生作用があることがわかった。4.肝発癌性のある真菌生産物、leteoskyrinでBalb3T3細胞を処理することにより、この物質が形質転換能を持つと共に、細胞内DNAに8-OH-dGを増大させることを明らかにした。この結果leteoskyrinの発がん性が酸素ラジカル発生に起因する可能性を示している。5.酸素ラジカルの作用を評価するのに、酸素ラジカルの第一次酸化物である脂質ヒドロペルオキシドの高感度測定法を開発し、この方法を用いて、ヒト血漿中にコレステロールエステルヒドロペルオキシドを検出することができた。6.ヒト正常型C-Ha-rasp21をコードする化学合成遺伝子のコドン12番目のGGTのGを8-OH-dGに置換えしたDNAを合成し、NIH3T3細胞のトランスフェクションに用いたところ、トランスフォーミング活性が得られた。この実験はin vivoでも8-OH-dGは変異に関与していることを示唆している。
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