研究課題/領域番号 |
63015003
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上田 亨 北海道大学, 薬学部, 教授 (00001032)
|
研究分担者 |
小野 晶 北海道大学, 薬学部, 助手 (10183253)
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90157313)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1988年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | 2^1-デオキシ-2^1-メチリデンシチジン / 分枝糖ヌクレオシド / 制癌作用 / 化学合成 |
研究概要 |
1.DMDC(2^1-デオキシン-2^1-メチリデンシチジン)誘導体の合成 強い判癌効果が見られたDMDCの作用機序の解明、効果増強を目的として各種のDMDC誘導体の合成を行った。DMDCのN-4アシル体、糖部5^1-O-アシル体など一連のアシル誘導体を合成した。次いでDMDCの5-位に各種のハロゲノ基およびメチル、エチル基の導入を計画し、それぞれ対応するウリジン誘導体よりの変換反応を行った。一例を示せば5-フルオロウリジンの3^1,5^1位をTIPDS保護し、2^1-位を酸化してケトン体とした後メチレントリフェニルホスホランと縮合して2^1-メチリデン体とする。この4-位をトリアゾリル化後アンモニア処理、脱保護して5-F-DMDCを得る。また2^1-メチリデン基の置換体としてエトキシカルボニルメチレン、シアノメチレン、エチリデン体をそれぞれ合成した。DMDCの5^1-アルキル燐酸エステル体も合成した。 2.DMDC誘導体の制癌活性 上記した一連の化合物のin vitroおよびin vivoの制癌検定を依託した。その結果の特徴をまとめると、(1)DMDCのアミノ基のアシル保護は活性増強に役立たない。(2)DMDCの5-位置換体では5-F体に強い活性が見られた外には有効化合物は認められない。(3)糖部5^1-0-アシル体の中に優れた制癌効果を持つ化合物があった。(4)DMDCのメチリデン基の修飾体には全く活性が見られなかった。 3.考察 DMDCはそれ自体としてリン酸化をうけトリリン酸として癌細胞のDNA合成を阻害するか、DNAの発現を傷害しているものと推測される。したがって今後DMDCのオリゴヌクレオチドレベルでの性質の解明が重要であると思われる。
|