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器官発生と腫瘍化にみられる細胞糖鎖抗原の変化

研究課題

研究課題/領域番号 63015006
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

福士 泰夫  東北大学, 医学部, 助手 (50189932)

研究分担者 折笠 精一  東北大学, 医学部, 教授 (60001004)
研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1988年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
キーワード糖鎖抗原 / 糖脂質 / Le^x(SSEA-1) / 腎腫瘍 / TLC / モノク ローナル抗体 / 腫瘍マーカー
研究概要

ヒト胎児の腎組織と腎腫瘍におけるラクトシル系2型糖鎖の発現を検討した結果、これらの抗原は組織の分化抗原としてばかりでなく、腫瘍の分化抗原としても出現している事が明らかとなった。この事は、腫瘍組織における抗原の出現様式と患者の予後が強く相関する事、及び、種々の分化を示す腫瘍細胞が同一腫瘍組織内に混在するWilms腫瘍の染色結果からも裏付けられた。次に腫瘍化に伴う糖鎖抗原の変化を定量的に分析した。19例の腎腫瘍患者より摘出した腎より、正常皮質部分と腫瘍部分とを別々に切り出し、糖脂質を抽出した。糖脂質はTLCプレート上で展開させ、化学発色後デンシトメーターにて測定した。その結果、granular cell typeではCDHとGM_3の著明な増加が認められた。すなわちこのtypeではCDH合成のあと、中性糖脂質の合成が一部ブロックされ、その結果がガングリオシド系の合成が亢進しているらしい事が示された。これに対し、clear cell typeでは全般的な糖脂質の減少傾向を示したが、GM_3に関しては増加するtypeと減少するtypeが認められた。この事は、GM_3が細胞の分化や増殖に大きくかかわっている事と考え合わせると、同じclear cell typeでもGM_3の変動のし方によって各々の臨床経過が異なる事も期待され、症例をfollow-up中である。又、中性糖脂質に関しては、全体として減少傾向であったがTLC免疫染色の結果、Le^x抗原群は、腫瘍において明らかに増加しており、又、slalosyl Le^xについても組織染色の結果と一致した。この様な変化は免疫電顕を用いた検討によっても裏付けられ、細胞内における抗原の存在様式のちがいが、抗原の血中への放出とかかわっている可能性がうかがわれた。更に、全例においてCDHやGM_3の長鎖脂肪酸を有する画分が増加していた。この事は正常でも存在する物質が、腫瘍化に伴って更に強い抗原性を獲得する様になる可能性を示しており、糖脂質の腫瘍化に伴う変化の1つとして興味深い。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yasuo,Fukushi: JNCI. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 福士泰夫: 腎と透析,特集:"腎腫瘍". 26(3). (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Seiichi,Saitoh: JNCI. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Haruo,Ootani: Int.J.Cancer. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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