研究課題/領域番号 |
63015010
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
竹森 利忠 千葉大学, 医学部, 助教授 (60114295)
|
研究分担者 |
重本 和宏 東京都老人総合研究所, 基礎病理, 研究員 (00192104)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 幼若Bリンフォーマ関連遺伝子の単離 / 温度感受性Abelsonマウス白血病ウイルス |
研究概要 |
細胞がん化は、正常細胞における増殖・分化関連分子の遺伝子レベルにおける質的・量的な変動と、それに伴うシグナル伝達機構の脱制御により誘導されることが明らかになりつつある。しかしこのように脱制御されて核内へ伝達されるシグナルが、それに対応するどのような一連の遺伝子発現に、どのような影響をおよぼすかについては明らかでない。この問題の解決のための一つのアプローチとして、ウイルスがん遺伝子発現を契機に、その発現様式を変動させる細胞遺伝子の構造と機能を解析することは重要と思われる。我々は温度感受性Abelsonマウス白血病ウイルス感染幼若Bリンフォーマに分化を導入し、分化前後にその発現様式を変動させる遺伝子8HS-15.を単離した。この遺伝子発現は、B細胞以外の組織・細胞では3・5Kbの、B細胞では約1・8Kbのサイズのメッセージとして発現され、Bリンフォーマでの発現量は著明に増強する。この遺伝子の塩基配列に相当する配列はGen Bankのdata baseには存在しない。一方、同一のシステムを用いて幼若Bリンフォーマに特異的に発現する遺伝子8HS-20を単離した。この遺伝子は精巣で1・2Kb、T細胞および他の組織では1・0Kb、B細胞では0・7Kbのメッセージとして発現される。B細胞に特異的な0・7Kbのメッセージの発現量は幼若Bリンフォーマ株で、正常脾臓B細胞あるいは成熟B細胞株のそれと比較すると、30-40倍に増強している。得られた遺伝子クローン(0・4Kb)の塩基配列から、この遺伝子の塩基配列と同一なもの、あるいはhomologyの高い塩基配列を有する遺伝子はGen Bankのdata baseには認められなかった。
|