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マウス白血病細胞分化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 63015019
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

大石 道夫  東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (00126004)

研究分担者 渡辺 利雄  東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (60201208)
西森 克彦  東北大学, 農学部, 助教授 (10164609)
研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1988年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
キーワードDIF-I / DIF-II / DIF-III / チロシンキナーゼ阻害剤herbmycin A,genistein,ST638
研究概要

従来の研究によりマウスフレンド細胞の分化に関する3種のタンパク質性因子(DIF-I,DIF-II,DIF-III)の関与が証明された。最近それぞれ部分精製したDIF-IとDIF-IIからDIF-IIIがin vitroで生成する再構成系が確立された。この系では反応終了後、DIF-IIIの生成と同時にDIF-Iが消失した。このことはDIF-IとDIF-IIとの相互作用によりDIF-IIIが生成し、このDIF-IIIが究極的にフレンド細胞の分化の決定に関与していることを強く示唆している。さらにDIF-IIIが生成する際にDIF-Iが検出されなくなることから、DIF-IIによりDIF-Iが修飾を受けDIF-IIIに変換するのではないかと考えられた。上述した試験管内でDIF-IIIを生成するin vitroの反応は脱燐酸化阻害剤Na_3VO_4やZnCl_2によって阻害される。また、DIF-Iをアルカリ.ホスファターゼ、ウシ心筋プロテインホスファターゼで処理してもDIF-IIの関与なしにDIF-IIIが生成した。これらのことから、DIF-IとDIF-IIとの共役反応には脱燐酸化反応が含まれることが推定される。そこでこの仮説が正しいかについて、細胞を用いても検討を行った。in vitro反応を阻害したNa_3VO_4やZnCl_2はDMSOによるフレンド細胞の分化誘導を阻害した。Na_3VO_4は細胞内でもDIF-I,IIの生成は阻害しなかったが両因子からのDIF-IIIの生成を阻害した。以上の結果は、DIF-Iが燐酸化タンパク質であることを示唆している。Na_3VO_4やZnCl_2は、燐酸化チロシンホスファターゼの阻害剤として知られていることから、最近見い出されたチロシンキナーゼ阻害剤、herbimycin A,genistern,ST638を用いた解析を行った。その結果、genistern,ST638はDIF-Iの誘導剤マイトマイシンCと相乗的にフレンド細胞の分化を引き起こし、細胞内にはDIF-IIIが誘導されていた。又、herbimycin Aは単独でフレンド細胞の分化を誘導した。又これらの物質はフレンド細胞のみならず、胚性腫瘍細胞(F9)の分化も誘導した。これらの事実から脱癌-再分化のプロセスには蛋白質のチロシン残基の脱燐酸化が関与していると云う仮説を提唱したい。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kaneko,T.;T.Watanabe;M.Oishi: Mol.Cell.Biol.8. 3311-3315 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Oishi,M: Recombination of Genetic Material(Academic Press). 445-491 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Watanabe,T.;S.Nomura;T.Kaneko;S.Yamagoe;T.Kamiya;M.Oishi: The status of differentiation therapy of cancer(Raven Press). 45. 215-228 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Watanabe,T.;S.Nomura;T.Kaneko;S.Yamagoe;M.Oishi: Cell differentiation and development. 25. 105-110 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Kaneko-Ishino,T.;T.U.Kume;H.Sasaki;M.Obinata;M.Oishi: Mol.Cell.Biol.8. 5545-5548 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Watanabe,T.;S.Nomura;T.Kaneko;S.Yamagoe;M.Oishi: Cell differentiation and Carcinogenesis(IARC). 43-53 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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