研究課題/領域番号 |
63015036
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 信志 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (60173085)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1988年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | エイズ / HIV / ヒト免疫不全ウイルス / ウイルスの変異 / HIVによるプラック形成 / クローンウイルス |
研究概要 |
エイズの原因ウイルスであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、その分離株の遺伝的性状から、非常に変異しやすいウイルスと考えられている。我々は、プラック法を用いて、このHIVをクローニングした。遺伝子構造およびその形質の点で、単一と思われるウイルスARV-C-1を選んだ。このウイルスを再クローニングする事により、プラックの形質(大きさ)が異なる2種のウイルス;ARV-C-1-3とARV-C-1-11を得た。さらにクローニング実験をくり返した。その結果、これらの子孫クローンウイルスの形質は、親のそれを引き継ぎ、同一であった。しかし、得られた数十株のクローンウイルスの遺伝子構造を制限酵素切断地図を用いて解析すると、かなりの頻度で変異が発生している事がわかった。その変異率は0.6〜1.2×10^<-2>/年と計算された。この値は、患者から得られた種々の分離株から推定された値に近似していた。以上の結果から、プラック形成法のようにHIVを継代する実験では、このウイルスは、in vitroでもかなりの頻度で変異すると考えられた。 以上の実験結果から、HIVの変異をin vitroで捉え、解析するには、プラック法が最適と思われた。しかし、さらに詳細な検討を行うためには、目的とする遺伝子部位の塩基配列を決定する必要があると思われた。 現在、同様の手法を用いて、中和抗体から逃れる変異ウイルスを試験管内で証明しようと試みている。また、温度感受性変異ウイルスの作製も検討中である。これらの実験には、プラック法が重要な役割を果たすと考えられる。
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