研究課題/領域番号 |
63015058
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山本 直樹 山口大学, 医学部, 教授 (00094053)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
1988年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | HIV / HTLV-III / LAV / 抗HIV薬 / セルフリー感染 / 巨細胞形成 / 逆転写酵素阻害剤 |
研究概要 |
昨年にひきつづきMT-4細胞を用いたセルフリー感染系での抗HIV物質のアッセイを行った。さらに MOLT-4細胞とMOLT-4/HTLV-III細胞を混合培養後、生じる巨細胞をトリパンブルー法によるfusion indexおよびcell multisizerを用いて定量的に測定する方法を確立した。この感染は感染細胞表層のgp120と未感染細胞のCD4分子の結合によるものでありこの反応をブロックする物質はHIVの吸着を阻害することが考えられる。以上のセル-フリー感染系と細胞間感染系を利用して種々のオリジンの多数のサンプルをスクリーニングし次の物質を発見した。1)レンチナン硫酸をはじめとする一連の硫酸多糖体--これまでに我々が海草などの自然物質より見いだした抗HIV作用の強い硫酸多糖体の研究をさらに進展し、多数の非硫酸多糖体を硫酸化した。これらの合成多糖体は、HIVによるMT-4細胞の細胞変性とMOLT-4細胞の巨細胞形成をそれぞれlug/ml、loug/mlで抑制した。2)LEM--LEMは椎茸からのエタノール抽出物である。約100ug/ml以上でMT-4の細胞変性を阻止する。さらにこれは、MOLT-4細胞の巨細胞形成も阻止した。3)プラディマイシンA--この抗生物質は、約3ug/ml以上でMT-4の細胞変性、6ug/ml以上で巨細胞形成を抑制した。4)アンチセンスRNA--フォスフォロチオエートのかたちにオリゴヌクレオチドを合成したもので15uMの濃度でMT-4の細胞変化性を阻止した。 以上の物質のうち、合成硫酸多糖体、LEM、プラディマイシンAはいずれもレトロウイルスの逆転写酵素阻害活性も保有する。しかしこれらの物質は、既にHIVの組み込みの終わった細胞のHIV発現は抑制しなかった。今後の検討課題の一つと考えている。
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