研究課題/領域番号 |
63015075
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
園田 俊郎 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (40036463)
|
研究分担者 |
屋敷 伸治 鹿児島大学, 医学部, 助手 (40182315)
高橋 和郎 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10171472)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1988年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
|
キーワード | ATL / HTLV-I免疫応答 / T細胞低応答性の遺伝 / HTLV-I感受性 / HLA / 民族特性 |
研究概要 |
南九州地区に多発する成人T細胞白血病(ATL)の患者家系を対象として、その民族的特異性とHTLV-I感染の許容性を規定する宿主側要因の本体を解明することを目的として鹿児島県在住のATL家系と非ATL家系(HAMおよび無症候性HTLV-Iキャリア家系)のHLAハプロタイプとHTLV-I特異T細胞の応答機能を測定しATL発症の免疫遺伝的背景を検索した。 1)ATL家系の民族的特異性 ATL患者のHLAハプロタイプは父系、母系ともに類縁のHLAで構成され、それぞれのハプロタイプはA26Bw62Cw3DR5DQw3をプロトタイプとするものであった。これらは平均的日本人では極稀にしか見いだされず、ATL家系が特異な遺伝系統に由来していることが判明した。一方、HAM患者では平均的日本人に普遍的にみられるハプロタイプとATL関連のハプロタイプを共有していた。以上よりATLは特有の遺伝系統のhonozygoteであり、HAMは平均的日本人とATL家系のheterozygoteであることが判明した。 2)ATLのHTLV-I低免疫応答性 ATL患者の末梢血リンパ球(PBL)を精製HTLV-Iウイルス抗原と培養し特異T細胞の応答反応をみると、いずれも低ないし無応答性であった。HAM患者のPBLの大多数は高応答性を示した。非HTLV-Iキャリアの健康人でATL型のハプロタイプを保有するものはほとんどが低応答であったがHAM型の保有者は高応答性であった。以上より、ATLのHTLV-I低応答性はがん性変化によるT細胞の機能不全ではなく、生来の低免疫応答遺伝子による可能性が強く示唆された。現在、ATLの免疫応答遺伝子の特徴をMHC遺伝子のRFLPで解析中である。
|