研究課題/領域番号 |
63015078
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
森 道夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045288)
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研究分担者 |
服部 淳夫 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90208538)
小山田 正人 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30183255)
榎本 克彦 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20151988)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1988年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 慢性肝炎 / 肝癌 / 疾患モデル動物 / 前癌病変 |
研究概要 |
LEC(Long Evans with a cinammon-like coat color)ラットは、Long Evans系から突然変異により生じた新しい動物で、高率に劇症肝炎を起して死亡することから、肝炎劇症化のモデル動物として注目された。しかしその後の検索で、肝炎死をまぬがれた動物では、化学物質、発癌物質を投与しないにもかかわらず、肝細胞の壊死と再生が繰り返され、その結果、長期生存したラットには高率に肝癌の発生をみることが判明し、ヒトの慢性肝炎、肝癌の過程を再現するものとして、肝癌発生機構解析のモデルになることが知られるようになった。 そこで本研究では、次の3点について検索を行った。 1.化学発癌過程の前癌病変である酵素変異巣の有無を、LECラット肝で検索した。その結果glutathione S-transferase placental type、γ-glutamyltranspeptidaseなどでマークされる酵素変異巣が、肝炎発症後に出現し、次第にその数を増し、増生結節に発展することが明らかになった。また1年以上生存した個体では、ほぼ全例に肝癌が発見された。 2.肝炎発症前のラットに、2/3部分肝切除を行い、0.02%acetyl amino-fluorenceを2週間経口投与してinitiated cellを選択的に増殖させ、initiationの有無を検索した。その結果、多数の増生結節が誘導されたことから、LECラットでは、肝炎発症以前にinitiationが生じている可能性が示唆された。 LECラットに自然発生した肝癌からDNAを抽出し、BALB 3T3細胞にtransfectしてtransforming活性の有無を検索した。その結果、anchorage independentなtransformant(BACII)を得た。BACIIはヌードマウスに腫瘍を形成し、H-rasの活性化が認められたが、point mutatinは見出されなかった。
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