研究課題/領域番号 |
63015085
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道薬科大学 |
研究代表者 |
吉沢 逸雄 北海道薬科大学, 薬学部, 教授 (80088864)
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研究分担者 |
高梨 香織 北海道薬科大学, 薬学部, 助手 (20171457)
伊藤 慎二 北海道薬科大学, 薬学部, 助手 (80137447)
渡辺 一弘 北海道薬科大学, 薬学部, 助手 (70137446)
高木 英利 北海道薬科大学, 薬学部, 講師 (40109476)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 乳がん / エストロジェン / 代謝 / 硫酸抱合 / カルボカチオン / 突然変異原性テスト |
研究概要 |
1.研究成果 モデル化合物として2種のサルフェート、3-methoxyestra-1、3、5(10)-trien-bα-ol sulfate(1)及び、その6β-異性体(II)を合成できたが、それらは予想通り極めて反応性に富み、水中の半減期はともに1〜2分で、容易にカルボカチオンを生成した。IとIIは、また、グルタチオン、あるいは、グアノシンと反応、生成物を与えたが、それらはいずれもステロイドの6位誘導体と判明した。 予想に反して、I及びIIの突然変異原性試験(Ames Test)は、ともに陰性であった。 一方、摘出乳がん組織を用いてのエストラジオール17-サルフェートの代謝では、著しい6位水酸化が認められ、乳がんで異常エストロジェン代謝の起きる可能性の高いことが実証された。 2.研究の考察・反省 予期した通り、6位サルフェート類はグルタチオンやメルカプタン等と反応、生成物与えた。しかし、Ames Testでは陰性であった。これは、サルフェートがバクテリアの細胞膜を通過するには、その他の試験を検討する必要がある。 乳がん組織によるエストロジェンの6位水酸化亢進の事実は、研究目標に大きな期待を持たせるものである。 3.将来への展望 乳がん組織で内因性物質エストロゲンの異常代謝が確実になれば、諸体液中のその最終的代謝物の分析により、乳がん診断のスクリーニングの実用化も可能である。
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