研究課題/領域番号 |
63015091
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
守内 哲也 東海大学, 医学部, 講師 (20174394)
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研究分担者 |
中根 一穂 東海大学, 医学部, 教授 (60164240)
葛巻 暹 北海道大学, 医学部, 教授 (80091445)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1988年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | PCNA / DNAポリメラーゼ / 先天異常 / RFLP / DNA複製 |
研究概要 |
Proliferating cell nuclear antigen(PCNA)はDNAポリメラーゼδ補助蛋白質としてDNA複製に重要な働きをしている。PCNA遺伝子に異常が生じた場合、突然変異率が上昇して癌およびその他の遺伝子異常疾患を生じやすくなると考えられる。そこで以下の症例でPCNAのcDNAをプロープにしてDNAの制限酵素断片の多型(RFLP)を指標としてその遺伝子の異常の有無を検索した。 1)高発癌性遺伝性疾患:色素性乾皮症A群3例、F群1例。Bloom症候群1例。ataxia telangioectasia1例。これらの症例のうち色素性乾皮症A群の1例に異常なバンドが見出された。しかし新たに抽出したDNAで確認の実験を繰返したところ、この異常なバンドは見られなくなった。この原因は不明である。 2)癌:肺癌、肝癌、胃癌、結腸癌等の剖検例10例で原発巣、転移巣および非癌組織からDNAを抽出しRFLPを調べた。Eco RI、Eco RV、Pvu II、Pst I等の制限酵素処理では異常なバンドは検出されなかったが、Hinf I処理で多型性が見出された。 3)先天多発奇形:染色体異常を伴う症例と染色体異常の無い症例の計7例からDNAを抽出してRFLPを調べた。この中の1例にEco RI、Eco RV、Pvu II、Pst I消化でいずれの酵素処理でも異常なバンドが検出される症例が発見された。DNAポリメラーゼβのcDNAをプローブにもちいた場合にも同様の異常なバンドが検出された。従ってこの症例はPCNA(DNAポリメラーゼδ補助蛋白質)遺伝子とDNAポリメラーゼβ遺伝子の両方の異常を伴っていることが明らかになった。 4)ヒトPCNA遺伝子の染色体座位の決定:in situ hybridizationによってPCNA遺伝子はヒト第2染色体長腕の2q33に存在することが明らかになった。
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