研究課題/領域番号 |
63015104
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
向井 清 国立がんセンター研究所, 病理部, 室長 (20190837)
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研究分担者 |
佐藤 雄一 国立がんセンター, 研究所・病理部, 研究員 (30178793)
三輪 正直 国立がんセンター研究所, 副所長 (20012750)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1988年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 組織固定法 / 免疫組織化学 / DNA解析 / サザンブロット法 / 免疫グロブリン遺伝子 / T細胞受容体β鎖遺伝子 |
研究概要 |
形態と、形質発現や遺伝子に関する情報を関連させるために当研究室では新しい組織固定法を開発した。これまでの検討で、形質(抗原)の保存は新鮮凍結切片に匹敵することが判明していた。そこで、本年度ではこの方法で固定した組織から高分子DNAを回収し、サザンブロット法にて解析し、DNAの保存の状態を検討した。材料はリンパ腫の組織で免疫グロブリン遺伝子と、T細胞受容体β鎖遺伝子の再構成を検討したところ、免疫組織化学によって固定された腫瘍細胞の形質と遺伝子の再構成の有無は完全に一致し、B細胞性腫瘍では免疫グロブリン遺伝子のまた、T細胞性腫瘍ではT細胞受容体β鎖遺伝子の再構成を認めた。さらに、同じ検体の新鮮凍結材料から得られたDNAで同様の検討をしたところ、新鮮材料のDNAに見られた再構成バンドの位置と、この方法で固定した組織から抽出したDNAに見られた再構成バンドの位置は一致した。また、T細胞性リンパ腫で、T細胞受容体β遺伝子の再構成が起こっている症例の一部において、T細胞受容体β鎖に対する抗体を使用した免疫染色を行いT細胞受容体β鎖が細胞表面に発現されていることを確認した。以上のように、この方法で固定した組織は、DNAを新鮮材料と変わらない状態で保存しており、サザンブロット法による解析に応用できることが判明した。現在さらにRNAの抽出とその保存の状態に付いてノーザンブロット法やドットブロット法などによる検討を行っている。 さらに、この方法の実際的応用として、この方法で固定した組織を使用して、各種腫瘍における組織適合抗原遺伝子や増殖関連因子の発現を蛋白、DNA、RNAレベルで検討して腫瘍の悪性度との関連を検討している。
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