• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ショウジョウバエrafプロトオンコジーン欠損変異体を用いた細胞増殖制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 63015109
研究種目

がん特別研究

配分区分補助金
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

西田 育巧  愛知県がんセンター研究所, 分子生物学研究室, 室長 (50107059)

研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1988年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
キーワード発癌遺伝子 / raf / 細胞増殖 / シグナル伝達 / 細胞周期 / ショウジョウバエ
研究概要

発癌遺伝子の多くはショウジョウバエにも保存されており、それらの本来の機能を理解する上で同種は優れたモデル動物と言える。タンパク質のSer/Thr残基をリン酸化するrafに相同なハエの遺伝子を単離し、ヒトrafと極めて類似したタンパク質の一次構造を塩基配列から推定した。Pエレメント・ベクターを用いた遺伝子導入による変異形質の回復から、rafの欠損した突然変異体を同定した。その表現形質からrafがハエの生存に必須なこと、そして、細胞増殖に関与することを明らかにした。rafの細胞増殖における機能を更に詳細に解析するために、EMSおよびX線処理で同一遺伝子座の新しい変異を誘発し、温度感受性(ts)変異体を含む合計6系統を用いて研究を進めている。ts変異体における温度感受性期の解析から、全発生過程を通じてrafが必要なこと、全分裂組織で細胞増殖の異常が認められること、そして、胚発生過程における体節形成や成虫の一部の筋肉の機能維持にも必要な多機能遺伝子であることが示唆された。幼虫体内の分裂組織の異常は各変異体間で差が見られ、モザイク法(Twin spot法)による細胞増殖率の測定値との相関が認められ、また、ts系統において温度上昇に従いより強度の細胞増殖の異常が認められ、raf遺伝子産物の活性の強さが細胞増殖率に関与することが示唆された。また、ts系統幼虫脳のM期細胞の温度感受性の解析から、rafは細胞周期のM期以外の相で作用することが示唆された。raf欠損変異を抑制する変異体を分離し、これまでに少なくとも2つの遺伝子座を同定した。これらの遺伝子地図上の精密な位置決定と、遺伝子の単離を進めつつある。シグナル伝達における情報の流れを明らかにすることが癌遺伝子研究の重要課題であるが、このような抑制変異による機能面からの遺伝子探索は、情報伝達機構の研究に新たな局面を拓くものと考える。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Nishida,Y.;M.Hata;T.Ayaki;H.Ryo;M.Yamagata;K.Shimizu;Y.Nishizuka.: EMBO J.7. 775-781 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Nikaido,T.;K.Shimada;Y.Nishida;R.S.Lee;A.B.Pardee;Y.Nishizuka.: Exp.Cell Res.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 西田育巧: 組織培養. 14. 118-122 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 西田育巧: 蛋白質・核酸・酵素. 34. 43-51 (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

URL: 

公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi