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バンジャブ,ギルギッドにおける乾燥・半乾燥地域の都市化と緑地に関する生態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63041033
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関千葉大学

研究代表者

田畑 貞寿  千葉大学, 園芸学部, 教授 (20009715)

研究分担者 宮城 俊作  千葉大学, 理学部, 助手 (60209872)
小林 達明  千葉大学, 理学部, 助手 (40178322)
今 久  千葉大学, 理学部, 助教授 (60153706)
田代 順孝  千葉大学, 理学部, 助教授 (20188238)
大沢 雅彦  千葉大学, 理学部, 助教授
三沢 彰  千葉大学, 園芸学部, 助教授 (50092101)
小林 康平  千葉大学, 園芸学部, 助教授 (80111194)
井手 久登  東京大学, 農学部, 教授
中山 敬一  千葉大学, 園芸学部, 教授 (90009697)
沼田 真  淑徳大学, 社会福祉学部, 教授
TASUAKI Kobayashi  Asst. Professor of Chiba University, Plant Ecology
HISASHI Kon  Asst. Professor of Chiba University, Agro-climatology
研究期間 (年度) 1988 – 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1988年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
キーワード乾燥・半乾燥地域 / 都市化 / 緑地 / 植生 / 緑陰微気象 / 緑意識 / 樹木成長量 / 生態学
研究概要

本研究は、1950年代に乾燥・半乾燥地域に建設された都市の事例として、パキスタン共和国の首都、イスラマバ-ドを中心に周辺のパキスタン北西辺地域、ギルギットから中国のウルムチにいたるカラコラムハイウエイなどを対象地域とし、1988年度から1990年度の3年間にわたり実施した調査の内容をまとめると以下のようである。
(1)乾燥・半乾燥地域における植物生態学的調査
人為的な放牧や、都市化が潅木草原や森林にどのような影響を与えているかなどを具体的に調査し貴重な諸資料を得ることができた。また、乾燥・半乾燥地の植物と人為の影響について、ウルムチ、カシュガル、クンジェラブ峠、さらにパキスタン側に入って、フンザ、ギルギットからインダス河に沿ってチラス、ペッシャムと下り、さらにアボッタバ-ド、イスラマバ-ド、ペシャワ-ルなどの地域やラホ-ル、カラチ周辺等の調査を行った。
これにより、砂漠ーオアシス地域、サバンナ地域、森林地帯の3区分のなかでサバンナ地域の人為の影響について貴重な成果を得ることができた。しかし今後、植生の持続的利用の方向について幾つかの課題が残された。
(2)パキスタンの北部における定住と生産の形態
5項目にわたる内容で調査が実施された。そのひとつはパキスタン北部山岳地域の環境構造についてである。これはカラコラムハイウエイの開通が地域の自然や集落にどのように影響したかについて調査を行った。カラコラムハイウエイ沿線の9つの村落を選び、水源の形態や、栽培植物・家畜・木材・燃料・肥料等について村落内外の環境利用の形態をヒヤリングした。その結果ハイウエイの開通により、村落形態への影響も大きい。またパキスタン北西辺境州における土地の生産力についてマクロな調査と、チトラルにおける潅漑システムと伝統的農業構造についてミクロな調査を実施した。いづれにせよ、閉鎖的な村落社会構造が都市化の影響を受けて、生産力向上はなく、子供の増加は大きく、観光客の増加などにより将来の村落維持には多くの課題が残された。
また、緑被空間からみた北西辺地域の定住地は、スストア付近の定住地ー隣接型、ゴジャ-ル地区の斜面定住地ー遠隔結合型、フンザの階段状集落ー隣接型、チラス以南の扇状地上の集落ー独立型、ラワ-スワ-ト地域の斜面の緑被ー内包型などに緑の景観単位をまとめることができた。これらは人々が定住するための環境として研究すべき内容が残された。
(3)都市オ-プンスペ-ス動態と緑の評価
イスラマバ-ド、ラワルピンディ首都圏地域を中心に、気候、地形、植生等の条件をもとに自然空間単位図を作成し、首都建設後の人為の影響と土地利用について考察を加え、またこの20数年間の都市化と緑地の動態について研究を進めた。またパキスタン10都市の緑の認識調査を住民アンケ-ト調査により実施し興味ある結果を得ることができた。
(4)乾燥・半乾燥地域における環境測定
気象条件を中心に測定を行った。ひとつは緑陰と微気象と快適性の調査、ふたつめはイスラマバ-ドの気候の変化、3つめはイスラマバ-ド、ラワルピンディ首都圏地域の微気象観測などの具体的なデ-タを取ることができた。30年前より都市緑地の造成及び緑化された当地域の気象変化、温度、雨量などに変化が見られ当初の研究目的について知見を得ることができた。
(5)半乾燥地域における緑化樹木
イスラマバ-ド地区内公園や街路樹などの緑化樹木の成長量を測定し、この20数年余成長量についてデ-タ得ることができた。また乾燥・半乾燥地域の緑化樹木のリストを作成することができた。これらは今後のこの地域の都市及び地域緑化に有益なデ-タになろう。
(6)古代遺跡の保存と環境整備
ここでは、インダス河流域に分布する古代遺跡のうち、古代都市の保存整備と環境整備の方向について調査を実施した。今回は都市化と植生、気象、集落、土地利用などの変容を捉える中で文化遺産についても取り上げることにしたことから、事例としてもモヘンジョダロについても保存と環境整備の予備的考察を行った。いづれにせよ、この問題については今後の具体的な調査デ-タを作成したうえで整備の方向を決定すべきである。
以上が最終年度のまとめであるが、今後同様な乾燥・半乾燥地域の諸都市の事例の調査を行い、人間の緑環境について保存と活用の方向を明らかにすることが大きな課題である。

報告書

(1件)
  • 1990 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (13件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (13件)

  • [文献書誌] 田畑 貞寿: "乾燥・半乾燥地域の都市化と緑地の動態と緑地の動態に関する研究ーイスラマバ-ド及びラワルピンディ地域について" 千葉大学園芸学部学科報告. No.36. 37-48 (1985)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田畑 貞寿,田代 順孝: "乾燥・半乾燥地域における緑の意識調査に関する研究ーパキスタン10都市における調査" 千葉大学園芸学部学科報告. NO.41. (1991)

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田代 順孝、田畑 貞寿,井出 久登、中山 敬一: "乾燥地域(パキスタン)の諸都市における住民の緑意識に関する考察" 造園雑誌 (社)日本造園学会. 54. (1991)

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 中山 敬一,田畑 貞寿: "緑陰の微気象と快適性に関する研究" 造園雑誌 (社)日本造園学会. 54. 1-6 (1990)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 沼田 真: "パキスタンの調査から潅木草原を森林へーイスラマバ-ドの自然" 自然保護 (財)自然保護協会. No.317. 14-15 (1988)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 宮城 俊作、田畑 貞寿: "モヘンジョダロに遺跡の保存事業とランドスケ-プ・プランニングに関する予備的考察" 千葉大学環境科学研究報告. No16. (1991)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] EDITED BY SADATOSHI TABATA: "A STUDY ON URBANIZATION AND ECOLOGICAL FEATURES OF GREEN SPACE IN ARID AND SEMIーRID REGIONS IN PUNJABANDO GILGIT, PAKISTAN" DEPARTMENNT OF L.A. FACULTY OF HORTICULTURE CHIBA UNIVERSITY, 108 (1989)

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    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SADATOSHI TABATA: "A Study of Urbanization and Dynamic Trend of Green Space in Arid and Semi-Arid Areas Islamabad and Rawalpindi" The Technical Bulletin of Faculty of Horticulture, of Chiba University. No. 36. 37-48 (1985)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SADATOSHI TABATA, YORITAKA TASHIRO: "A Study on Recognition and Evaluation of Greenery in Arid and Semi Arid Region" The Technical Bulletin of Faculty of Horticulture, Chiba University. No. 41. (1991)

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] YORITAKA TASHIRO, SADATOSHI TABATA, HISATO IDE: "A Study on Dweller's Evaluation of Greenery Arid Urban Environment" Journal of Japanese Institute of Landscape Architects. No. 54. (1991)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KEIICHI NAKAYAMA, SADATOSHI TABATA, KOHEI KOBAYASHI: "Study on the Micrometeorology and Amenity in Tree Shade" Zoen-Zasshi, Journal of the Japanese Institute of Landscape Architects. No. 54. 1-6 (1990)

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SHUNSAKU MIYAGI, SADATOSHI TABATA: "A Preliminary Study for Landscape planning of Moenjodaro and the Vicinity" Report of Environmental Researchy Organization of Chiba University. No. 16. (1991)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SADATOSHI TABATA: Edited By Sadatoshi Tabata, Department Of Landscape Architecture Chiba Univ.A Study on Urbanization and Ecological Features of Green Space in Arid and Semi-Arid and Regions in Punjab and Gilgit, Pakistan, 1-108 (1989)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1990 研究成果報告書概要

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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