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ニジェ-ル川大湾曲部諸文化の生態学的基盤及び共生関係の文化人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63041053
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関東京外国語大学

研究代表者

川田 順造  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (50107835)

研究分担者 BARRY Abdoul  マリ国立人文科学研究所, 研究員
DIALL0 Samba  マリ国立高等師範, 教授
KASSIBO Breh  マリ国立高等師範, 教授
真家 和夫  大妻大学, 人間生活科学研究所, 講師 (30157119)
坂井 信三  南山大学, 文学部, 助教授 (00140012)
研究期間 (年度) 1988 – 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
1989年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
キーワード伝統的技術 / 身体技法 / 長距離交易 / イスラ-ム / 漁撈民 / 多民族共生 / 牛牧民 / ニジェ-ル川中部デルタ
研究概要

1.研究代表者川田は、総括及び分担事項である伝統技術と工人集団の、ニジェ-ル川大湾曲部諸社会における比較研究を行い、同時に、研究分担者の一人である真家が急病で途中帰国したため、真家の分担事項についても調査研究を行った。伝統技術では、今回は特に、農耕における短い鍬の使用、土器成形、機織と、それぞれ身体技法との関係、及び、織機など西洋式の機械が導入されたときの身体技法とその問題点、伝統技術の地域間交流による改良の可能性等について調査結果に基づいて検討した。機械を用いない伝統技術において、製品の品質や規格を一定にし生産の能率を高める上で、身体技法の果たす役割は大きいし、工人集団の閉鎖性は技術の伝承を確かなものにする意味をもっている。だが、同時にそれらは技術の革新を妨げる要因でもある。これらの点を川田は現地調査の成果に基づいて明らかにした。
2.研究分担者の坂井は、分担事項である長距離交易商人の社会・経済組織の調査研究を中部デルタ地帯の歴史的に古く重要な都市ジャを中心に行った。この地域における長距離交易商人は、全てイスラ-ム教徒であり、イスラ-ム教の導師「マラブ-」が果たしていた多面的な役割、彼らと政治的首長との関係等の問題と切り離すことはできない。坂井は、従来閉鎖的で調査が難しいとされていたジャでの多くの口頭伝承の採録・分析結果に基づき、この宗教都市におけるイスラ-ム教の確立及び長距離交易活動の歴史を解明することに成功した。この成果は、マリの研究者や欧米の研究者からも注目されており、本調査研究の大きな収穫の一つといえる。
3.マリ側研究分担者であるカッシ-ボは、中部デルタの漁撈民ボゾ族の技術・社会・宗教の動態的側面の研究を行っており、その中でも今回は漁船の建造技術の変化に焦点をおいた研究をまとめた。伝統的な縫合船から動力製材の木板鉄の釘で止めた漁船への変化に伴う社会・文化の側面の変化を、綿密な実地調査によって追求したものである。
4.サンバ・ディアロは、一貫して牛牧民フルベ族の研究を行っているが、今回の調査では生態学的条件の変化へのフルベ族の牛牧の技術の適用をテ-マとして調査研究を行った。
5.アブドゥライ・バリ-は、バンバラ族の宗教儀礼と社会組織の問題を拡大し、ニジェ-ル川大湾曲部諸社会において極めて重要な多民族・多言語の状況の中での宗教儀礼を始めとする文化の共生関係を、実地調査に基づいて研究している。今回は、中部デルタにおける典型的な多民族共生都市であるジュンネの事例研究を行った。
6.上記の研究者以外にも、マリの人文科学研究所の考古学者であるママディ・ダンベレ、クレナ・サナゴや東京大学大学院生の保坂実千代も今回の調査に一部参加した。ダンベレとサナゴは中部デルタ湿原の考古学研究を行いまた、保坂はバンバラ族の一村落における女性の活動についての参与観察調査をし、報告書作成にも加わった。
以上、第一次の現地調査でニジェ-ル川大湾曲部のとくに西部諸地域を中心に調査研究を行ったのに続いて、今回の第2次の現地調査では中部諸地方の社会について、第一次調査のときとは部分的に異なる側面についての研究を行い、ニジェ-ル川大湾曲部の社会と文化について、より多角的な理解を得ることができた。調査期間の終わりのバマコ市での日本・マリ合同の総括討論も前回より活発であり、調査・研究の日本・マリの協力態勢をさらに緊密にすることができた。第一次のフランス語の報告書は、幸いアフリカや欧米で好意的な反響を得ており、さらに今回の報告書は、450ペ-ジと前回より約100ペ-ジ増で内容もより深められており、国際学界への貢献においても更に一歩を進めることを期している。

報告書

(1件)
  • 1989 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 川田順造(編・著): "BOUCLE DU NIGERーapproche multidisciplinaireーVolume 2" 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 450 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Junzo KAWADA(ed.): BOUCLE DU NIGER - approche multidisciplinaire - Volume 2. ILCAA, Tokyo University of Foreign Studies, 450 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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