研究課題/領域番号 |
63041076
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野上 裕生 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60025335)
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研究分担者 |
DARIO Mosque コロンビア国立地質研究所, 副所長
茂原 信生 独協医科大学, 講師
毛利 俊雄 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (30115951)
瀬戸口 烈司 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (20109086)
TORRES Dario Mosquera Subdirector, School of Medicine, Instituto Nacional de Investigaciones Geologico
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1988年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | 現生新世界猿 / 化石新世界猿 / 中新世 / 地質学 / 古生物学 / 形態学 |
研究概要 |
京都大学霊長類研究所は、創設以来、国外へも調査隊を派遣し、多大な成果をあげてきた。アジア及びアフリカの調査におくれをとったものの、文部省科学研究費補助金をえて、南アメリカにおいても継続的な研究をおこなうにいたった。現生の霊長類を主対象とする比較形態学、遺伝学などの手法に、化石を対象とする地質学、古生物学の手法を併用する、他に例をみない班の構成を特徴としている。 1988年の現地調査では、コロンビア国ウイラ県ラベンタ-地区において、新生代中新世(約1500万年前)の地層から、Neosaimiriに類似した化石が発見された。ほぼ完全な歯列をそなえた下顎骨であり、瀬戸口・高井・茂原は、添付の京大新世界猿報告7巻に仮に記載した。また、本化石を産出した地点及びその周辺地域の地質図が、高井・瀬戸口によって作成され、同報告に掲載された。本研究費によって招へいされた、コロンビア国立地質研究所副所長MOSQUERA博士を加え、京都大学理学部地質学教室において、同地域の地質に関する詳細な検討がおこなわれた。 南米に生息する現生霊長類の研究は、おもに形態学的な手法によって進展されてきた。頭骨の全般的な形質は毛利及び茂原によって検討され、歯牙を中心とした特徴は、茂原及び小林によって吟味された。その成果の一部は、京大新世界猿報告7巻に掲載されている。また、かつて海外調査に参加した名取真人は、広鼻猿類の諸属にみられる歯牙の形質を解析し、その成果を継続的に公表している。 以上の学術調査は、1990年度も継続される予定である。研究協力者として参加する高井及び小林は、それぞれの分野での検討を推進し、学位取得をめざしている。このように、霊長類の種分化の機構を把握し、進化の理論構築に寄与すると同時に、後進の養成にもつとめる方針を堅持している。
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