研究課題/領域番号 |
63041083
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北川 勲 大阪大学, 薬学部, 教授 (20028830)
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研究分担者 |
澁谷 博孝 大阪大学, 薬学部, 助手 (50116042)
木下 武司 帝京大学, 薬学部, 助教授 (10107386)
吉川 雅之 大阪大学, 薬学部, 助教授 (90116129)
海老塚 豊 東京大学, 薬学部, 助教授 (90107384)
UJI Tahan Senior Researcher, Herbarium Bogoriense, Center for Research and Development in
WIRIADINATA Harry Senior Researcher, Herbarium Bogoriense, Center for Research and Development in
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | インドネシア / ヌサ・テンガラ・チム-ル州 / フロ-レス島 / チモ-ル島 / 天然薬物 / 民間薬 / 民間医療 / 薬用植物 |
研究概要 |
本学術調査は、世界有数の植物資源国であるインドネシアにおける新しい天然薬物資源の発掘ならびに日本・インドネシア両国間の学術交流の発展を目的として、インドネシアの民間薬調査、民間医療調査、および薬用植物調査を行い、新しい医薬品素材の開発を指向した化学的・生物学的研究のための基礎資料の作成を目指して行っている。 昭和60年度に実施した第1次学術調査では、ジャワ島およびバリ島における伝統的薬物“ジャムゥ生薬"の市場調査、ならびにヌサ・テンガラ・チム-ル州(チモ-ル島、フロ-レス島、スンバ島)における民間薬、民間医療、および薬用植物に関する予備的な調査を行った。 そして、昭和63年度の第2次学術調査では、第1次調査で得た種々の情報をもとに、ヌサ・テンガラ・チム-ル州(チモ-ル島、フロ-レス島)における民間薬調査、民間医療調査、および薬用植物調査を実施した、まず、各調査地の村落を訪ね、そこで用いられている薬用植物に関する用途、用法、採集法等の情報を、長老や村医(ドクン)から聴取した。続いて、それらの情報をもとに実際に薬用植物の採集を行った。 平成元年度の第2次学術調査の調査総括研究では、まず、ボゴ-ル植物標本館において収集資料の組織学的研究を行い、ほぼ全資料の同定を完了することが出来た。続いて、大阪大学で各資料のアルコ-ル抽出エキスを調製し、薄層クロマトグラフィ-、高速液体クロマトグラフィ-等による各資料の含有成分分析を行い、収集資料を材料とする化学的研究の基礎デ-タを作成した。さらに、各アルコ-ル抽出エキスを種々の溶媒により分画し、得られた分画について生物活性スクリ-ニング試験を依頼したところ、それらの多くに興味ある生物活性が見出された。調査記録については、フィ-ルドノ-ト、写真、録音テ-プ、ビデオテ-プ等について詳細な検討を加えたが、このうちインドネシア語から英語への翻訳は、インドネシア側研究分担者のタハン・ウジが担当し、大阪大学において行った。 なお、収集資料(在物標本および化学研究用資料)は、原則としてすべてインドネシア国立生物学研究所および日本側(大阪大学、東京大学、および帝京大学)の双方で保管している。また、調査にかかわる記録類は、すべて大阪大学・薬学部に保管している。 以上の様に、第1次(昭和60年度)および第2次(昭和63年度)学術調査によって、フロ-レス島における薬用植物資源のほぼ全容を明らかにすることが出来たが、今後、本調査で収集された資料に関する化学的・生物学的研究の成果が待たれる。 本学術調査は、インドネシア科学院(Indonesian Institute of Science)に所属するインドネシア国立生物学研究所(Center for Research and Development in Biology)との共同研究体制で進めているが、これまでの2度にわたる調査を経て、相互の学術交流にかなりの進展をみた。また、本学術調査は、チモ-ル島クパン市にある国立ヌサツェンダナ大学や各地(県・郡)の森林局・自然保護局等の機関の協力のもとで行われたが、多民族・多言語国家であるインドネシアにおけるフィ-ルド調査ではこの様な諸機関の協力体制は不可欠である。 第2次学術調査の重点調査地域であったヌサ・テンガラ・チム-ル州は、ワレスラインの東に位置し、気象的には非常に乾燥したサバンナ気候である。我々は、「インドネシアの天然薬物調査研究」プログラムを完遂するために、第3次学術調査の調査地域を熱帯多雨地帯のスマトラ島に移し、平成2年度にその実施を計画している
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