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海浜の保全と管理に関する法的・経済学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63041118
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関立教大学

研究代表者

淡路 剛久  立教大学, 法学部, 教授 (90062653)

研究分担者 森嶌 昭夫  名古屋大学, 法学部, 教授 (80022416)
木原 啓吉  千葉大学, 教養部, 教授 (70143245)
落合 仁司  同志社大学, 経済学部, 助教授 (40152516)
阿部 泰隆  神戸大学, 法学部, 教授 (80030617)
朝見 行弘  福岡大学, 法学部, 助教授 (00151051)
研究期間 (年度) 1988 – 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1988年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
キーワード海浜 / 海浜と環境 / ナショナル・トラスト / 土地の買取り / 地役権・賃借権 / 海浜の土地利用規制 / 自然公園 / 海浜保全法
研究概要

1 本研究は、海浜の保全と管理に関する法的、経済的側面を、わが国の現状を含めて相互に比較するために、アメリカ合衆国(連邦の制度、民間団体の活動、フロリダ調査、マサチュ-セッツ調査、ボルチモア調査、カリフォルニア調査など)、連合王国(イングランドのカウトリ-・サイド委員会、自然保護評議会、ナショナル・トラスト、スコットランドのナショナルトラスト、サフォ-ク調査、ウエ-ルズ調査、スコットランド西海岸調査など)、およびフランス(法制度、海浜保全事業団、ラングドック・ルシオン調査、カマルグ調査、エロ-県調査、ボ-ル市調査など)、実施した。
2 法的側面 (1)法的手法として、各国の制度をみると、私法的手法(とくに、買取り、地役権や賃借権の設定)と土地利用規制方式とがみられる。これらは、海浜や海面下の土地に対する権利のあり方(フランスや日本では海浜下の土地所有権は認められないが、イギリスやアメリカは認められる)、開発圧力と土地投資に対する法的コントロ-ルのあり方、贈与(寄付)や遣贈に対する税制上の扱い、土地に対する規制と補償のあり方によって、その用いられ方が各国で異なっている。(2)土地買取りは、寄付を財源としたイギリスのナショナル・トラスト(イングランドおよびスコットランド)制度がもっとも活発に行っている、フランスの海浜保全事業団(コンセルヴァトワ-ル)も主に公的資金を投げて保全のための土地買取りを実施している。最近の事例をみると、開発が押し寄せそうなところを事前に買取り、海浜の保全目的を果たそうとしていることが分かる。アメリカには、保全目的で土地買取りを行っている民間の団体がある(たとえば、ワシントンの自然環境保全財団)とともに、地方債の発行で買取り資金を確保しているところもある(カリフォルにア)。これらの事例をみると、買取り方式の基礎的モデルは、民間方式のイギリス・ナショナルトラスト方式、公的方式のフランス・コンセルヴァトワ-ル方式である、といってよさそうである。あとの管理は、ナショナルトラストはその団体で、コンセルヴァトワ-ル方式は、自治体に委託している。以上の実際の姿を各国のいくつかの地域で見た。地役権や賃借権設定方式は地価の上昇や所有者が売りたくない場合に有効であるが、イギリスやアメリカで実施されており、その実例をアメリカのカリフォルニアやイギリスのガウアで見た。(3)土地利用規制方式には、自然公園制度や自然保全地区などの特別の制度(各国にある)と都市計画や用途地域制度のような一般的な制度とがある。これらは、海浜の後背地の利用と保全について主に用いられる(フランスのボ-ル市では、この都市計画が環境破壊的であるとして訴訟が繰り返された)。また、開発のために土地を先買いできるフランスの先買い権制度は、安く土地を取得できるため、環境保全に充てられる土地がうみ出されるともいえそうである。(ラングドック・ルシオン)。海浜と地先の海の利用については、フランスの1986年法がいくつかの新たな制度を導入した。これからが実際の適用段階となる。
3 経済的側面 (1)ナショナル・トラスト方式による買取りという経済的手法と保全地域の指定という法的とは、実際には、両者がそれぞれの適した領域で用いられることが多い。イギリスでも、フランスでもそうであるし、アメリカでもそうである。経済学的見地からは、さらに、土地買取りと地域指定という、持続可能な開発あるいは保全にとって最適な、公共的介入と民間活力の使い分け方ないし混合の仕分が問題となる。(2)理論的にはともかく、実際の例として、イギリスのサフォ-クでは、ナショナル・トラスト、カントリ-・サイド・コミッションおよびネイチャ-・コンサンバンシ-・カウンシルが、サフォ-ク・カウンティ・カウンシルを中心に合議体を持ちながら、互いの政策を調整し、海浜保全という目的に統合された役割を果している。一つの地域をいくつかの手法により統合的視点からアプロ-チとていることは、示唆的である。

報告書

(1件)
  • 1990 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (14件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (14件)

  • [文献書誌] 淡路 剛久: "東京湾開発と環境政策" 環境科学会誌. 1ー2. (1988)

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 淡路 剛久: "沿岸域利用におけるパブリックアクセスの法的意義" 沿岸域. 2ー1. 20-25 (1989)

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  • [文献書誌] 淡路 剛久: "東京湾開発に対する環境政策展開への提言" 用水と廃水. 32ー1. 26-30 (1990)

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 阿部 泰隆: "自然破壊・開発資本とリゾ-ト" 法学セミナ-. 1990ー2. (1990)

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  • [文献書誌] 阿部 泰隆: "海浜へのアクセス" ジュリスト. 973. 6-7 (1991)

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 阿部 泰隆: "国土開発と環境保全" 日本評論社,

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 落合 仁司 他三名: "環境経済論" 有斐閣, (600)

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. AWAJI: "Tokyo Bay development and environmental policy" Environmental Science Journal. 1-2. (1988)

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. AWAJI: "Journal of Coastal Zone" Legal significance of public access in the utilization of coastal zone. 2-1. 20-25 (1989)

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. AWAJI: "Journal of Water and Waste" Proposition to the environmental policy Tokyo Bay development plans. 32-1. 26-30 (1990)

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  • [文献書誌] Y. ABE: "Nature Disruption, Development's Capital and Resort" Hougaku Seminar. 1990-2. (1990)

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  • [文献書誌] Y. ABE: "Access to the Coastal Zone" Tourist. 973. 6-7 (1991)

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      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Y. ABE: Nihon-Hyouron-Sya. Land Development and Conservation of the Environment, (1989)

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  • [文献書誌] H. OCHIAI and 3 Others: Youhikaku. Environmental Economic Science, 600 (1991)

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      1990 研究成果報告書概要

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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