研究課題/領域番号 |
63041122
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 目白学園女子短期大学 |
研究代表者 |
スチュア-ト ヘンリ (1989) 目白学園女子短期大学, 一般教育, 助教授 (50187788)
スチュアート・ヘンリイ (1989) 目白学園女子短大, 一般教育, 助教授
スチュアート・ヘンリ (1988) 目白学園女子短大, 一般教育, 助教授
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研究分担者 |
RENE Auger アバタック文化研究所, 考古学者
IAN Badgley アバタック文化研究所, 主任考古学者
天野 哲也 北海道大学, 文学部, 助手 (90125279)
山浦 清 立教大学, 文学部, 助教授 (50111589)
BADGLEY Ian Chief archaeologist Avataq Cultural Institute
AUGER Rene Archaeologist Avataq Cultural Institute
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
1989年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1988年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 民族考古学 / 接触文化 / 文化変化 / 生業 / 伝統時代 |
研究概要 |
東部極北圏のイヌイット文化に関する3年にわたる当調査は、ウンガバ半島のクオクタック遺跡、ラブラド-ル半島のヌネンガック遺跡、そして、北西順州に位置するペリ-ベイ周辺の3個所でおこなわれた。それぞれの遺跡はその性格も異なっており、自ずから調査の目的、方法も変ってきている。 クオクタック遺跡では主として、3500年B.P.以前のプレド-セット文化から続くグロスウオ-タ-ド-セット、さらには1000年B.P.前後まで続くド-セット文化に属する石器が数多く出土しており、その発掘調査に重点を置いた。 ヌネンガック遺跡は北極では数少ない複合遺跡であり、プレド-セット文化からヨ-ロッパ人との交渉のあった接触期の文化に至るまでの遺物、遺構が連綿と確認されている。ここでは、先史文化の研究をクオクタック遺跡との比較など進めると共に、主として1900年代まで使用されていた住居址の発掘にあたり、異文化接触期の文化の解明に力点を置いた。また、考古学資料の解釈のため、近隣の村において民族学調査も実施した。 ペリ-ベイ周辺においては、イヌクシュクといった遺構に注目し、その機能等を解明するため、測量調査を実施すると共に、古老インフォ-マントと実際に遺跡を歩いたり、遺物を見せたりしながらの聞取り調査をするなど、民族学調査にも重点を置いた。 これらの調査により、貴重な考古学的、民族学的資料が蓄積され、調査方法や、その解釈において日本、カナダ両者の手法が用いられたことにより、投地の研究に新たな展開を促すこととなった。また、民族考古学研究においても一石を投ずることとなろうし、南からの人、物資、情報の急激な流入により大きな変化の渦中にある、現代イヌイット社会での調査は、それ自体、文化変化期の貴重な研究となりえた。以上、先史文化から現代までの長きにわたるイヌイット文化、社会の再構成は我々の当初よりめざしていたものであり、その中において新たなる研究手法をうみだすにいたったと考えている。
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