研究課題/領域番号 |
63041132
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
杉本 尚次 国立民族学博物館, 第3研究部, 教授・部長 (60067832)
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研究分担者 |
土屋 敦夫 金沢工業大学, 助教授 (80064468)
守屋 毅 国立民族学博物館, 第1研究部, 助教授 (00036493)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | アメリカ合衆国 / 野外博物館 / 歴史地区 / 伝統的建築物 |
研究概要 |
本研究は、昭和61年度に科学研究費補助金(海外学術研究)によって実施した「アメリカ合衆国における伝統的建築物の保存・再生・活用に関する調査」の発展的継承を意図するものであり、(a)伝統的民家などを移築・保存・公開する施設(野外博物館)、伝統的民家などを中心にそれを取り巻く歴史的環境を公園化した施設(歴史公園)、伝統的民家などによって構成される町並を修復・活用するために処置を施した地域の実情に注目し、(b)日・米・欧における具体的な事例を集積し、(c)それらを比較研究することによって、(d)伝統的建築物の保存・再生・活用をめぐる理論を提唱することを目的とする研究の一環をなしている。 その目的にそって、昭和63年度、平成元年度の2年にわたり、(a)アメリカ合衆国において対象となる施設・地区を現地調査を実施するとともに、平成元年度においては、(b)調査過程で収集した各種資料(地図・ガイドブック・研究紀要・小冊子・写真など)の整理を行ない、(c)さらに調査・研究の成果の大要を「調査概報」として刊行した。 昭和63年度には、北欧・中欧系移民の入植した中西部草原地帯、フランス系移民および黒人によって特色づけられる南部、原住民遺跡の分布する西南部山岳地帯を重点調査地域とし、約150の施設・地区を調査した。また平成元年度には、大都市部における調査を行なった。さらに同年度に刊行した「調査概報」には、研究代表者が研究の経過および成果の総括(総論)とともに、研究分担者による調査対象施設・地区の個別的記述(各論)、参考図版を掲載した。 これらの調査・研究を通じて、我々は、ようやく対象となる施設・地区の分布やその傾向性を全米的な視野で概観できる段階に達したものと考える。すなわち、アメリカ合衆国における伝統的建築物の保存は、(a)各地域社会やエスニック・グル-ブのアイデンティティ-の確立と深く関わっていること、(b)したがって、それらの保存にあたる各施設・地区の態様は、それぞれの歴史性・地域性・民族性によって、きわめて多様にわたっていること、(e)生活状況の歴史的復元が重視され、そのためのコスチュ-ム・スタッフやプログラムの整備が充実していること、さらに(c)都市においては、その再開発にあたり、伝統的建築物の活用によってその都市独自の景観を構成する試みが顕著であることなどに、きわだった特長を指摘することができる。したがって、アメリカにおける伝統的建築物は、アメリカ社会の現代的な課題に答えるかたちでの活用がはかられているわけである。 研究代表者らは、当該課題にかかわる研究を今後も継続する計画であるが、これらの特長は、将来の研究にあたり、重要な視点を示唆するものといえるのである。
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