研究課題/領域番号 |
63042013
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研究種目 |
海外学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | がん調査 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
渡辺 昌 国立がんセンター研究所, 疫学部, 部長 (60051637)
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研究分担者 |
ANTONIO Mirr サンハ゜ウロがン登録所, 所長
RUY Laurenti サンパウロ大学, 公衆衛生学部, 学部長
石井 裕正 慶応大学, 医学部・内科, 助教授 (20051500)
津金 昌一郎 国立がんセンター, 研究所・疫学部, 室長 (40179982)
三輪 正直 国立がんセンター研究所, 副所長 (20012750)
LAURENTI Ruy Sao Paulo University, School of Public Health
MIRRA Antonio Sao Paulo Cancer Registry
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1988年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 日系移民 / がん死亡率 / がん罹患率 / 成人T細胞白血病ウィルス / B型肝炎ウィルス / ブラジル / ボリビア |
研究概要 |
1.サンパウロ在住日系人のがん実態調査 (1)死亡:1979年より81年迄の3年間に死亡した日系人の死亡票、男性2107名(内、日本生まれの1世1313)女性1561名(同、1033)分を収集し、死因別に日本およびサンパウロ市とのがんによる死亡率の比較を一世についてSMRを用いて行った。日本との比較において、全部位(男)、食道(男)、直腸(男)、肝臓、胆のう(男)、肺(女)が有意な低値を示す一方、前立腺が高値であった。また、サンパウロとの比較では、全部位、食道(男)、乳房、前立腺が有意な低値を、胃(男)、膵臓が高値を示す結果を得た。 (2)罹患:1969年より10年間についてサンパウロがん登録において収集した罹患票より、日系人と思われる男性1684名、女性1394名、ポルトガル系の名前を持つ男性1844名、女性2114名を収集し、部位別の比率についての検討を行った。40〜79歳の年齢に限り解析すると、最も頻度の高い部位は、男性の日系人・ポルトガル系人と女性の日系人では胃がんであったが、女性のポルトガル系人は子宮がんであった。 また、日本の部位別罹患割合をもとに、年齢標準化罹患比を算出すると、ブラジル日系人では皮膚、前立腺、乳房が有意な高値を、肝臓、直腸、胃において有意な低値を示した。 2.B型肝炎ウィルス(HBV)、成人T細胞性白血病/リンパ腫ウィルス(HTLVーI)の感染調査 ボリビアのサンタクルスおよびブラジルのサンパウロに居住する、日系人および現地住民1856名より血清を採取し、HBVについてはHBsの抗原・抗体を、HTLVーIについては抗体を測定した。 HBs抗原の保有率は、成人においてはサンタクルスの日系人が約5%、サンパウロの日系人が約2.5%と日系人に高かったが、サンタクルスのボリビア人は約0.5%と低値であった。また、HTLVーIについては、その抗体陽性率は出身母県に依存し、沖縄や長崎県出身者で約20%に認められたが、他県出身者は殆ど0%であった。一方、ボリビア人においても少なからずHTLVーI抗体の保有者が存在する事が明らかになった。 今後は、サンパウロ在住日系人において認められたがん罹患様式が、どのようなライフスタイルに由来するのかを明らかにできるような研究に展開してゆきたい。
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