研究課題/領域番号 |
63043013
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研究種目 |
海外学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 亜人 東京大学, 教養学部, 助教授 (50012464)
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研究分担者 |
横山 廣子 東洋英和女学院短期大学, 講師 (30143324)
田村 克巳 金沢大学, 文学部, 助教授 (40094156)
船曳 建夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (90165457)
末成 道男 聖心女子大学, 文学部, 教授 (20054570)
中根 千枝 帝京大学, 文学部, 教授 (00012964)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 少数民族 / 漢族農村 / エスニシティ / 父系血縁集団(宗族) / 宗廟 / 廟会 / 郷鎮企業 / 個人経営 / 地域社会統合 |
研究概要 |
本研究は、初年度(1987年)に中国で行なった各分担者の調査資料とその後入手した二次資料とをもとにして、その整理・分析と検討による総括を目的としており、東京大学教養学部文化人類学研究室を拠点として、計四回の研究会議をもった。その四回めの研究会議の機会に、中国側の研究分担者である索文清・朱通華の両氏を招聘して、各分担者の研究成果に対して現地研究者の立場からのコメントと今後の研究展望と具体的な研究体制を固める上での貴重な助言を得ることができ、またその機会に、国立民族学博物館・広島大学でも研究連絡と意見交換の会合をもち、併せて日本側の地方農村の産業化とりわけ工場誘致の現状視察と現地の人たちとの意見交換の場を設け、中国における郷鎮企業振興の現状との比較研究のための共通の認識を得ることができた。 分担研究のうち、漢族社会を対象とする研究では、山東省の畑作農村と広東省、福建省の水田稲作地帯の農村を対象として(1)村落の歴史的背景、(2)革命後の生産・居住組織の変遷、(3)父系出自集団(宗族)の機能と変遷、(4)廟その他の信仰の現状、(5)郷鎮企業の現状、等について不充分ながら凡その状況が明らかになった。 少数民族地区の分担研究のうち、雲南白族の研究では、白族村落の社会組織、婚姻慣習のほか漢族社会との相互関係の概況が明らかとなり、また、湖南省で近年新たに存在が知られた白族集団についても、そのエスニシティーをめぐる民族間関係の概況が明らかとなった。また蔵族地区の研究では、河川流域に点在する伝統的な地方都市の宗教・行政上の中心的性格と周辺農村及び牧民たちとの相互関係にメスが入れられ、とりわけ宗教統合のあり方について概況が明らかとなりつつある。 いづれの分担研究においても、不充分ながら概況を明らかにし得たので、今後はより集約的な調査研究と、未着手地区への拡大調査の展望を得ることができた。
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