研究課題/領域番号 |
63043018
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研究種目 |
海外学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小出 進 東京大学, 農学部, 教授 (60003745)
冨田 正彦 東京大, 農, 助教授
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研究分担者 |
KAILASH N. P ネパール国トリブヴァン大学, 農獣医学部, 教授
広田 純一 岩手大学, 農学部, 講師 (00173287)
原 洋之介 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (60012986)
津野 幸人 鳥取大学, 農学部, 教授 (00036287)
冨田 正彦 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60074051)
PYAKURYAL Kailash N. Professor, Tribuvan University, Nepal
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1988年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 南アジア農業 / 天水田 / 灌漑開発 / 農村社会 / 農家経済 / 稲作生態系 / 熱帯土壌 / 昆虫生態系 |
研究概要 |
低水準ながら高度な生態学的平衡が長期に亙って維持されていた地域生態系が、開発行為によって急変革を余儀なくされている典型例として南アジアの天水田地域の最近の灌漑開発地の村落を選び、その (1)域生態系の構造、特にその自然構造、生産構造および生活構造の相互関係構造 (2)灌漑開発に伴う地域生態系構造の変化と、随伴する系要素間の不整合の発現状況 (3)前項の不整合の解消過程 などを、導入灌漑開発の仕様・機能と併せて調査し、地域生態系に発現した不整合の灌漑開発機能との関係づけを試みた。第1次本調査は主として試・資料収集、ヒアリング等により昭和62年度に実施されたが、(3)不整合の解消過程については現象のトレースに依る他ないので、観察集落を設定し、平成元年度に予定している第2回本調査へ向けて現地研究者の協力のもとに経過記録を続けている。 調査は現地での学際討論を重視して全員が行動を共にし、62年7月18日〜9月15日に実施された。調査地域はインドのタミルナドゥ州、カルナータカ州およびネパールのテライ地方に大別される。それぞれコインバトール農科大学(Sivanappann教授他)、バンガロール大学農学部(Deshpande教授他)およびトリブヴァン大学農学部(Pyakuryal教授他)の協力のもとに実施された。調査の具体的内容は工学(農業土木)班による灌漑施設の仕様・機能状況、自然科学(作物学、土壌学、熱帯疫学)班によるサンプリング調査と社会科学(農業経営、地域経済学、社会学)班によるヒアリング調査であり、現地研究者の適切な協力が得られたこともあって、それぞれ十分な成果を得ることができた。またタミルナドゥ州とテライ地方については予定どうり精査地区を設定することができ、それぞれ現地研究者のグループによる継続観測体制を作った。 収集資料は土壌、水田湛水、水稲葉、種籾、昆虫などの試料サンプルと、営農内容などについての農家アンケート調査回答・ヒアリング記録と、灌漑施設の仕様・機能及びその運用記録、地域自然構造・土地利用、地域経済・社会状況についての文献資料・統計資料・地図資料などである。 うち試料サンプルについては原則として現地協力大学の研究者と折半して半分を持ち帰った。それらの整理にはそれぞれの分担研究者が当たり、リストを作成した上で、分担研究者の所属大学に保管した。 農家アンケート調査回答とヒアリング記録の整理は八木、佐藤が担当し、リストを作成した上で農業経済学関係のものは東京大学農学部、社会学関係のものは横浜市立大学商学部に保管した。文献資料・統計資料・地図資料については、まずリスト(研究報告書に記録)を作成して研究組織全員での利用体制を作った上で、灌漑施設の仕様・機能及びその運用記録については広田、小出、冨田が整理に当り、おもに東京大学農学部に保管した。 63年度は収集資料の分析・一次取りまとめと並行して観察集落調査のフォローを継続すると共に、ネパール国トリヴァン大学農学部のPyakuryal教授を1か月間招へいし、精査地区の継続観測状況の検討と、総合考察討論を共にした。同教授の専門分野が本研究の学際的側面の要をなす社会学であることから活発な討論が実現し、平成元年度に予定している2次調査に向けて、環境計画学的観点から地域生態系の再平衡構築要件の一次仮説を総合考察することができた。 分析・考察結果は研究分担者ごとに分担課題に関係の深い学術雑誌に論文報告(10.に一覧表記、予定を含む)すると共に、総合考察討論の成果と合わせて報告書に取りまとめて印刷した。 なお、相手国インド、ネパールへの成果の還元については、基本的には前述の現地研究者との学術論文の共同発表がこれに当たるが、報告書に盛り込み切れなかったものを含めて試料サンプル類の全分析結果、その他資料の全整理結果も関係現地大学の研究者へ回付し、相手国内での将来の研究資料に供する予定である。
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