研究課題/領域番号 |
63043035
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研究種目 |
海外学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 健治 京都大学, 工学部, 教授 (20025919)
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研究分担者 |
冨田 彰 東北大学, 非水溶液化学研究所, 教授 (80006311)
鈴木 俊光 京都大学, 工学部, 助教授 (70026045)
阪田 祐作 岡山大学, 工学部, 助教授 (70032951)
三浦 孝一 京都大学, 工学部, 助教授 (40111942)
SILVESTON Pe Waterloo大学, 化学工学科, 教授
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1988年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 日本ーカナダ共同研究 / 石炭転換工学 / 石炭のガス化 / 石炭の迅速熱分解 |
研究概要 |
本共同研究は、日本カナダ両国の研究者と政府・産業界が協力して、カナダに豊富に存在する未利用の亜瀝青炭、褐炭等を石迪代替燃料、化成品、コークス等へ効率的に変換する新しい技術を開発することを目的としている。本研究の初年度(昭和62年度)には、日本側研究者がカナダに滞在し、カナダの大学、公立研究所の施設を利用して共同研究を進める形式を、2年度にはカナダ側研究者を日本に招待し、研究集会を開催するとともに、日本の大学、国立研究所、企業研究所を訪問して意見交換する形式をとった。この2年間の共同研究において、日加両国の石炭関連研究者の信頼・協力関係は強固なものとなるとともに、石炭転換技術開発の面で大きな進展がみられた。この成果を確実なものとするためには、この種の研究が短期間で終了するのではなく、長期的な展望の下に継続されることを切に希望するものである。以下に2年間の成果を具体的に記す。 初年度の6月に、研究代表者橋本(京大)と分担者である玉井(東京理大)、富田(東北大)の3名がBritish Columbia,Alberta,Ottawa,Waterloo,Western Ontario,McMasterの各大学と、カナガ政府エネルギー・鉱山・資源省の石炭研究施設(CANMET)ならびにアルバータ州立研究所(ARC)を歴訪し、共同研究の進め方を打ち合せするとともに、日本人若手研究者の受入の可否を打診した。さらに、CANMETとWaterloo大学において、日加両政府関係者も交えて会議をもち、本共同研究に関する「日加協定」の草案を作成した。さらに、6名の若手研究者のカナダでの受入先を決定するとともに、具体的研究内容についてもその大筋を決定した。これを受けて、鈴木(京大)、阪田(岡山大)、三浦(京大)、横野(北大)、京谷(東北大)、菅原(秋田大)が7月10日より60日〜75日間カナダに滞存して共同研究を実施した。すなわち、鈴木はCANMETに滞在し鉄触媒による石炭ガス化の基礎研究、阪田はBritish Columbia大学に滞在して各種カナダ炭のガス化反応性と相関、三浦はWaterloo大学に熱分解生成チャーのガス化反応性支配因子の検討、横野はAlberta大学にてカナダ炭の迅速熱分解、京谷はWaterloo大学にて触媒を担持した石炭の迅速熱分解、ならびにCANMETにてCu系触媒によるガス化生成ガスの脱硫、菅原はARCにてカナダ炭の迅速熱分解とガス化反応速度の測定に関する研究に従事した。これら6名の研究者は、帰国後もカナダ側と緊密な連絡をとりながら当該研究を継続した。初年度の成果は70頁の報告書にまとめ、文部省他の関連機関、関連研究者に配布した。 2年度には、国内において引き続き前記の共同研究を実施した。11月には、P.Silveston,P.Watkinson,O.Trassの各教授とA.Chambers,G.Kouacik氏を我国に招へいし、まず11月7日にこれら5名のカナダ側研究者と日本側研究者が東京で一同に会し研究集会を開催した。本集会では、両国より研究成果の報告がなされるとともに、今後の共同研究の方向が話し会われた。本研究は幸い平成元年度も継続される予定であるが、以後の継続を含めてより幅広く両国の交流・協力を進めて行くことで意見の一致がみられた。本集会の後、カナダ側研究者は2つのグループに別れて、石炭に関する研究を実施している主要な大学、国立研究所ならびに企業研究所を約10日間の日程で歴訪し、日本の石炭研究の現況を視察するとともに、日加協力、研究者交流についても意見交換がなされた。訪問先は、電力中央研究所、東京大学、東京農工大学、公害資源研究所、日立製作所日立研究所、東北大学、北海道大学、北海道工業開発試験所、秋田大学、大阪ガス総合研究所、京都大学、岡山大学、バブコック日立呉研究所、宇部興産である。カナダ側研究者は日本の石炭研究のレベルの高さに驚くとともに、共同研究、研究者交流の活発化を切に希望している様子であった。 以上の2年間の成果は100頁に及ぶ英文の成果報告書にまとめ、文部省を初めとして両国の関連機関ならびに石炭関係の研究者に広く配布した。平成元年度からも、以上の2年間の成果を結実させるために気分を一新して共同研究に取り組む所存である。
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