研究課題/領域番号 |
63043052
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研究種目 |
海外学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
鈴木 堯士 高知大学, 理学部, 教授 (20036528)
鈴木 堯 高知大, 理, 教授
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研究分担者 |
C.A. Landis オタゴ大学, 助教授
D.S. Coombs オタゴ大学, 教授
吉倉 紳一 高知大学, 理学部, 助教授 (10093957)
梅村 隼夫 高知大学, 理学部, 教授 (70036557)
波田 重煕 高知大学, 理学部, 教授 (40036554)
COOMBS D. S. Otago University, Professor
LANDIS C. A. Otago University, Associate Professor
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ケープルス帯 / トーレス帯 / ハースト・シスト帯 / 付加体 / メランジエ / 微化石 / 枕状溶岩 / 砂岩 |
研究概要 |
本調査研究地域は主としてニュージーランド南島、オタゴ南西部のクリスタルズ・ビーチ(chrystalls Beach)地域とオタゴ北部のアカタラワ(Akatarawa)地域とである。研究分担者であるオタゴ大学のD.S.Coombs教授及びC.A.Landis助教授と共にプロジェクトを組み、昭和61年度の予備調査、昭和62年度の本調査に引き続き、昭和63年度は収集した試料の分析及び微化石の抽出を行ない、時代決定及び堆積環境・テクトニクスを解明することと調査研究結果を総括し、印刷公表することを目的とした。 1.クリスタルズ・ビーチ地域 本地域は、南島のダニーディン市南西約50キロメートルに分布するケープルス帯に属し、海岸線に沿って広く露出している。 本地域は,K.D.Nelson(1982)によってGeol,Soc,Amer,Bullに付加体メランジエ帯として記載された。本地域のケープルス帯は南部のパンペリー石ーアクチノ内石帯から、北部の黒雲母帯へ変成度が上昇する弱変成帯であり、付加体コンプレックスとして注目されている。 構成岩類は、砂岩・泥岩を主体とするタービダイト質の互層部と枕状溶岩やハイアロクラスタイトの玄武岩質岩石・チャート・酸性凝灰岩(?)からなる遠洋性〜半遠洋性の互層部に分けられる。 現地での地質調査は主として海岸線に沿って行なわれ、ルートマップと地質断面図の作成が一応完了した。随所に微化石(主として放散虫)を産するが、再結晶作用が著しいため時代を正確に決定するのに困難を極めた。しかし、多量の放散虫抽出を試み、ようやくphosphatri,noduleよりジコラ紀を示す放散虫が得られた。また砂岩は供給源を異にすると考えられる少くとも2種類のものが確認された。すなわち、両者は粒度、円磨度および岩片の種類に大きな違いがある。変形作用については、今回の調査研究により5つの変形時相を識別することができ、北部のハースト・シスト帯と変形構造は連続していることもほぼ確実になった。 2.アカタラワ地域 本地域は、南島のダニーディン市の北約120キロメートルに位置し、これまでトーレス帯に含まれていた"ペルム系"について、その起源や年代を明らかにする研究が進められた。これまでのところ年代に関しては確定的なことは言えないが、中生代の可能性が高い。また、現地調査と採集した試料に関する室内研究(鉱物共生やイライトの結晶度など)の結果、"ペルム系"はハースト・シスト帯に含められるべき地質体で、しかもメランジエであることが明らかになった。この地域にはメランジエを含む付加体を基盤にして、その上にトーレス帯のタービダイト及び河口堆積物を含む浅海堆積層(中部三畳系)が部分的に堆積したとみなされる。このような地質体の形成環境は、日本の四万十帯のような島弧ー海溝系が考えられる。
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