研究課題/領域番号 |
63043064
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研究種目 |
海外学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
佐々波 楊子 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (30051288)
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研究分担者 |
吉岡 完治 慶應義塾大学, 産業研究所, 助教授 (80051887)
黒田 昌裕 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (50051636)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 基礎的中間財不足 / 外貨交換(調整)センター / エネルギー不足 / 交通ネットワークの隘路 |
研究概要 |
現地調査総括の成果 1.前回現地調査で設定した輸出供給隘路のうちタイプAー国内生産に関わる隘路が最も重要であることがヒアリング調査を通じて明らかになった。 2.タイプAの隘路とは輸出生産を行う際の部品・原材料、交通・運輸、エネルギー供給に関するものである。中国の経済改革は地方政府への極限委譲、生産現場への責任制の導入を重要な柱としている。地方政府及び生産現場では、輸出促進への意欲を高め、ことに製品輸出の拡大するにはこのような地方分極、責任制の導入は有用であった。しかし今回のヒアリング調査では(国家計画委員会)その結果として基礎的中間財の不足をもたらしていることが指摘された。 3.前回現地調査でもふれた地方ごとに或は企業ごとに外貨バランスの保持を義務づける制度は加工組立型産業の輸出マインドの刺激には役立った。しかし加工組立産業の生産に必要な各地方間を結ぶ交通ネットワークという中間投入財より基本的な投入財であるエネルギー不足を招いた。 4.供給隘路の緩和には加工組立の生産増加が基礎的中間財の需要増加にどのような波及効果をもつか産業連関分析手法の活用が急務であるとの結論に達した。そのうえで、輸入による調達の方が国内生産能力の拡大よりも安価なケースを考えたうえで投資基準にもとずく外貨配分を検討すべきであろう。 5.今後の研究課題として、中国工業製品輸出拡大が国内の基礎的中間財部門にどのような影響を与えるのか分析したうえで産業政策における投資基準と輸入調達の評価をとりあげたい。
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