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標識光子を用いた(γ,II^+)反応による原子核スピン・アイソスピン反転巨大共鳴

研究課題

研究課題/領域番号 63044011
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関東北大学

研究代表者

庄田 勝房  東北大学, 理学部, 教授 (40004262)

研究分担者 KOBAYASHI Ta  レンセラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institu, 助手
YAMAZAKI Mas  ピッツバーグ大学(Pittsburg University), 助手
MIN Kongki  レンセラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institu, 教授
坪田 博明  東北大学, 教養部, 教授 (70005792)
研究期間 (年度) 1988 – 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワード光Π^+発生 / スピナイソスピン反転型転移 / 標識化光子によるII^+発生
研究概要

当初の計画は、昭和63年度中に測定器系の整備を完了し、^<12>C(γ,Π^+)反応の実験を行い、その実験結果を参考にして平成元年度に更に^<13>C(γ,Π^+)反応の実験を推進し進めることであった。東北大学グル-プは昭和63年8月に1名がサスカチワン大学及びR.P.I.に出張し、研究の具体的進め方について検討・討議を行った。更に平成元年1〜2月に2名がサスカチワン大学、R.P.I.に出張し、測定器系の整備を行い実験準備はほぼ完了した。しかし昭和63年度にはサスカチワン大学のライナックが不調で、検出器系のテスト実験及び^<12,13>C(γ,Π^+)反応の本実験を平成元年7月に行うことの予定が同大学から伝えられた。しかし実験は更に延期され、電子ビ-ムを用いた検出器系のテスト実験は平成元年11月に実施された。その後同大学ライナック所長Skopik教授より本実験は平成2年1月に実施する旨の通知があり、その計画に従って東北大学グル-プは平成元年12月から平成2年1月にかけて同大学に出張し、実験に備えた。又、この時東北大学グル-プは東北大学で製作した検出器1組を同大学に搬入し、先に搬入した分と合わせ最終目的である合計5組の(角度5点)検出器準備を完了した。しかし同大学ライナックのtaggerが十分に作動しないことが判明し、本実験までには到らなかった。このため、東北大学グル-プは本実験でのデ-タ解析のためのプログラムの整備をし、更に11月に行われた検出器テスト実験のデ-タを解析した。これらのことからΠ^+の測定器系は幾分の改良を加えることによって、目的の(γ,Π^+)反応の実験が十分可能であり、又、デ-タ集積系も十分使用可能であることが確かめられた。又、実験に電子線を用いた解析プログラムも十分整備された。以下に検出器系テストの解析結果の概略について述べる。
Ee=295MeVの連続電子線が厚さ26μmのAlのradiatorに照射された。散乱電子は電磁石によって曲げられ、その磁石の焦点面に設置された18組のプラスチックシンチレ-ション検出器によって検出される。(このシステムをtaggerと呼ぶことにする)。制動放射はポリエチレン(CH_2)の標的に照射される。標的から放出されたΠ^+は35°,45°,145°に設置されたΔEーEカウンタ-テレスコ-プで検出された。この検出器にはプラスチックシンチレ-タ-を用いた。ΔEーEのエネルギ-関係及びE検出器内で止まったΠ^+のΠ^+→μ^++v崩壊によるμ^+の信号を用いてΠ^+の分別を行った。taggerの電子検出器のうち約1/3は作動しなかったが、これは光電子増倍器の中に異常に高雑音のものがあったことと、光電面とシンチレ-タ-面の密着度が不十分なため集光が悪いことによることが確かめられた。45°のΔEーE同時計数スペクトルは、はっきりした2つのグル-プへの分離を示し、これはエネルギ-の関係からΠ^+グル-プとその他のグル-プと判断され、これらのことからΠ^+の分離測定が明確に遂行されていることが確かめられた。しかし、μ^+とΠ^+との同時計数スペクトルは、偶然同時計数が相当多く含まれていることを示している。更に30°の検出器ではバックグランドが多く、ΔEーE同時計数スペクトルの分離も明確でない。バックグランド軽減が不可欠であることが解析の結果分かった。
これらのことからこの測定系によって(γ,Π^+)反応が研究が十分可能であることが確かめられた。しかし最終目的とする精度良い(γ,Π^+)反応の実験結果を得るためには更に(1)taggerの散乱電子検出器の十分な整備が必要であり、(2)バックグランド軽減対策を行うことが是非必要であることが分かった。(1)については十分経験のあるIllinoisグル-プが運動量分解能をあげて改良する予定であり、(2)については検出器系の架台を含めたシ-ルド方法が検討されている。従って、それがなされれば、初期の目的である精度良い単色γ線による(γ,Π^+)反応が得られ、核構造に関する新しい知見が得られることが十分期待される。今後本実験をMinーKobayashiグル-プが実行し、そのデ-タをR.P.I.と東北大学グル-プで解析して所期の目的を達成する予定である。

報告書

(1件)
  • 1989 研究成果報告書概要

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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