研究課題/領域番号 |
63044070
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 東海大学 (1989-1990) 京都大学 (1988) |
研究代表者 |
SUGIURA Masahisa (1990) 東海大学, 開発技術研究所, 教授 (90179135)
M Sugiura (1990) 東海大学, 教授
SUGIURA Masahisa (1988-1989) 東海大, 開発技術研究所, 教授
|
研究分担者 |
BURCH James L. サウスウエスト研究所, 宇宙科学研究所, 部長
WINNINGHAM J. David サウスウエスト研究所, 宇宙科学研究部, 研究主任
CRAVEN John D. アイオワ大学, 物理学天文学科, 準教授
AGGSON Thomas L. 米国航空宇宙局, ゴダード宇宙飛翔センター, 研究員
SLAUIN James 米国航空宇宙局, ゴダード宇宙飛翔センター, 研究課長
HOFFMAN Robe 米国航空宇宙局, ゴダード宇宙飛翔センター, 主任研究員
家森 俊彦 京都大学, 理学部, 助教授 (40144315)
寺沢 敏夫 京都大学, 理学部, 助教授 (30134662)
荒木 徹 京都大学, 理学部, 教授 (50025433)
SLAVIN James A. NASA - Goddard Space Flight Center
HOFFMAN Robert A. NASA - Goddard Space Flight Center
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
1990年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1989年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1988年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | 沿磁力線電流 / DE磁場観測 / 磁気圏・電離層エネルギ-結合 / 太陽風・磁気圏エネルギ-結合 / 磁気圏電流系 / 磁気圏磁場 / 極光 |
研究概要 |
現段階における磁気圏物理学の衛星による観測資料の解析では、観測結果のデ-タベ-スを作成することが多くの場合必要條件であるといってもよいであろう。本研究は、ダイナミックスエクスプロ-ラ(DE)衛星1及び2による磁場観測のデ-タベ-スをNASAから京都大学理学部地磁気世界資料解析センタ-に移することが重要な要素になっている。しかし乍ら毎秒16磁場ベクトル値測定の割で、DEー2の磁場観測デ-タは約4×108筒の、DEー1の磁場観測デ-タは約4×109筒の磁場ベクトル値(3成分)をいう厖大なデ-タから成る。(デ-タベ-ス作成にあたっては、1成分1筒の観測値を1ワ-ド(326its)にした)従って、デ-タ移送、デ-タベ-スの作成には綿密な計画を必要とする。本研究により、DEー2の磁場デ-タベ-ス及び衛星軌道・姿勢デ-タをNASAから京都大学へ移す作業は完了した。DEー1の磁場観測については、NASAにおける1次デ-タ処理の遅れにより予定より移送の作業が遅れているが、平成3年度中にはかなりな量が移送されてくる見込みである。磁場観測資料解析にあたって、電場及びプラズマ観測資料が重要な役割を果すので、電場とプラズマのデ-タベ-スもNASAから京都大学に移す交渉を進めてきたが、本年度の共同研究協議により各々の主任研究者の承諾が得られた。DEー2の電場観測資料は最近移送を完了した。粒子のデ-タについては、ゴダ-ド宇宙飛翔センタ-における電子、イオンの観測資料の整備の完了を持って京都大学への移送を開始することになった。京都大学地磁気世界資料解析センタ-でこれらのデ-タベ-スを作成するにあたっては、解析の能率を計り、またNASAの研究者との共同研究を継続するため、NASAの資料解析システムと互換性のある光ディスクを用いたシステムを開発した。これらの進展により、本研究の最大の難関と考えられた大量のDE観測資料を手許に確保するという課題は、一部分既に達成され、残りは継続して行われる見通しがついた。 磁場観測資料の解析については、磁気圏・電離層間及び太陽風・磁気圏間のエネルギ-結合に重要な役割を果す沿磁力線電流の研究に重点をおいた。特に、沿磁平線電流領域における電場と磁場の相関の問題と、晝側カスプ領域の沿磁力線電流の分布とその発生機構の問題を京都大学理学研究料の博士課程大学院生2名の研究課題とし、現在までの結果を論文にまとめ、専門雑誌に投稿する準備がほぼ整ったところである。沿磁力線電流領域で、殊に太陽放射による電離のための電気伝尊度の高い晝側の沿磁力線電流領域では、電場と磁場変化の相関がきわめてよいことがDEー2の観測により明らかにされたが、この相関が変動の同期或は波長により、また太陽高度、観測点の高度等にどのように依存するかを統計的に調べた。晝側カスプ領域における沿磁力線電流については、この電流系が上向きの電流と下向きの電流の対になって生じていることを示し、太陽風の磁力線と磁気圏の磁力線との再結合によりこのようなカスプの治磁力線電流が発生する機構のモデルを作り、観測結果の設明を試みた。 通例Region2と呼ばれている沿磁力線電流と電子とイオンの降下との関係を磁気地方時の夕方の領域について詳細に解析し、論文にして発表した(Fujii et al.,1990).その他、DEー1の観測を用いて磁気嵐急始により励起されたトロイド型の地球磁場定常波の研究(Cahill et al.,1990)、地磁気活動及び極光活動の観点から磁気圏が極めて静かな状態における治磁力線電流、プラズマ対流、電子降下領域についての研究(Hoffman et al.,1988)、DEー1によるイオン、磁場、プラズマ波の観測を用いたイオンの加速とプラズマ波の研究(Peterson et al.,1988)等を行い論文にして発表した。 大量なデ-タのNASAから京都大学への移送についても、共同資料解析についても、本研究は十分な成果をあげたと考える。共同研究については、研究分担者以外の多数の研究者の協力を得たことを附記し、これらの人々に感謝の意を表する。
|