研究課題/領域番号 |
63044092
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 博美 大阪大学, 工学部, 助教授 (10093387)
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研究分担者 |
JAMES F.Kuro マサチューセッツ大学, 計算機科学系, 助教授
大月 一弘 神戸大学, 教養部, 助手 (10185324)
KUROSE James F. Dept. of Computer and Information Science, University of Massachusetts
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | アクセス制御形式 / リングネットワ-ク / ト-クンパス制御 / 高速光リング / マルチメディア通信 / 高速パケット交換 / 計算機シミュレ-ション |
研究概要 |
情報化社会の基盤技術として光ファイバを用いたマルチメディア形高速通信ネットワ-クの必要性が高まっている。この通信ネットワ-クとは、従来の広域公衆通信ネットワ-クのみならず、都市域通信ネットワ-クMAN(Metoroporitan Area Network)や閉域通信ネットワ-クLAN(Local Area Network)、さらにはネットワ-ク接合ゲ-トウェイや高速交換ア-キテクチャのためのスイッチネットワ-クまでも含んだ、幅広いものと考えられる。本研究は、光ファイバを用いた通信ネットワ-クとして最もふさわしいと考えられるリングネットワ-クを対象に、効率性・信頼性・機能性に富んだ高速マルチメディア通信を可能とする新しい通信制御形式の開発を目的としたものである。本研究によって得られた知見、成果をまとめると以下のようになる。 (1)光ファイバ高速リングネットワ-クに適したアクセス制御方式として、従来提案されていたコンテンション方式をベ-スとし、パケットコンテンション検出機能を拡大的に用いることにより、付加的なハ-ドウェア・ソフトウェアのオ-バヘッドなしで、パケットコンテンションを容易に解決する機能を実現した、解決形コンテンション方式(Resolvable-Contention-Ring or ReC-Ring)を新たに提案した。 (2)提案する解決型コンテンションリング方式の基本制御プロトコル体系を明確にし、方式動作の正当性・無矛盾性を検証した。 (3)マサチュ-セッツ大学で開発された高速リングネットワ-クシミュレ-タを基本とし、提案する方式の基本制御機能に対するシミュレ-タを新たに作成し、シミュレ-ションによりその稼働特性や伝送動作の解析を行なうとともに、その性能評価を行った。 (4)シミュレ-ション結果より、提案方式がスル-プット・遅延時間などの基本性能に関する有効性、効率性に優れていることを確認した。特に光ファイバを用いた高速ネットワ-ク環境において、従来より提案されているト-クンリング方式、FDDI方式、スロットリング方式、コンテンションリング方式などの代表的なアクセス制御方式に対する明確な優位性を定量的に示した。 (5)マルチメディア形高速通信ネットワ-クを実現する場合、伝送優先機能などの拡張機能が必須である。本研究では、ト-クンパス形伝送優先権機能を各種検討した結果、FDDIなどで用いられた時間ト-クン優先制御機能を本解決形コンテンション方式に導入し、プロトコル上の不整合性などを検討・除去した。この結果、解決形コンテンション方式の伝送優先機能の有効性、実用性、インプリメンテ-ションの容易性などを明らかにした。 (6)本研究で得た解決形コンテンション方式を基本とし、オ-バ-フロ-バッファ・リンクで相互結合した多重リングネットワ-ク上で、本方式と目的局除去型スロットリング方式を複合した新しい通信制御方式を用いることにより、マルチバ-チャルサ-キット形高速パケット交換の高速リング形スイッチの可能性を見いだし、新たな高速パケット交換ア-キテクチャを提示した。 (7)(3)で開発したシミュレ-タを拡大適用することにより、本パケット交換ア-キテクチャのシミュレ-ション解析を行い、また簡単な数理モデルを用いた理論解析を併せて行なうことにより、その有効性を定量的に明らかにした。
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