• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

アラスカ極地湖沼の藻類相の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63044094
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分共同研究
研究機関山形大学 (1989)
神戸大学 (1988)

研究代表者

高橋 永治  山形大学, 理学部, 教授 (50030771)

研究分担者 PETER SIVER  西コネチカット大学, 生物学科, 助教授
VERA ALEXAND  アラスカ大学, 水産学部・海洋研究所, 教授
佐藤 泰哲  山形大学, 理学部, 助教授 (60007177)
南雲 保  日本歯科大学, 生物学, 講師 (70120706)
井上 勲  筑波大学, 生物科学系, 講師 (70168433)
ALEXANDER VERA  UNIV. OF ALASKA-FAIRBANKS PROFESSOR
研究期間 (年度) 1988 – 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1989年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1988年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
キーワードアラスカ / バロ-湖沼群 / フェアバンクス / キナイ半島 / 極地湖沼 / パクソン湖沼群 / 水質 / 藻類相
研究概要

1988年と1989年の2年間に5月から10月の、藻類活動開始期から最盛期、そして衰退期まで、湖沼環境では融氷始めから夏、そして結氷までの期間、アラスカのツンドラ地帯からタイガ地帯にある下記の5地域の湖沼の採集調査を実施した。(1)北緯71度30分のバロ-地区:海岸沿いにある淡水湖と潟湖と、ツンドラに散在する湖沼、計20湖沼、1988年6月、7月、1989年8月、9月の4回;(2)北緯68度30分のト-リク湖沼群:アラスカ北部のツンドラ地帯の11湖沼、1988年6月、7月、1989年8月、9月の4回;(3)北緯64度30分、アラスカ中心部、フェアバンクス市内にあるタイガ地帯の代表湖スミス湖:ほぼ週1回、計27回;バレ-ン湖7回;(4)北緯63度のパクソン湖沼群:タイガ山岳地帯の15湖沼、各年4回、計8回:(5)北緯60度のアラスカ南端のキナイ半島にある24湖沼:1988年6月と1989年9月の2回採集;2年間での合計1447点の試料を採集した。現在北極圏の試料から電子顕微鏡研究を行っている。
湖沼環境:藻類相は湖沼環境によっても変化するので、1989年度には陸水化学の分担者を加えた。上記5湖沼群での8月から10月の気温、水温、pHの最低と最高を示す。
湖沼群 気温℃ 水温℃ pH
バロ-湖沼群 1.3〜15.4 0.7〜15.6 6.8〜8.4(海岸の湖);6.2〜7.0(ツンドラの湖沼)
ト-リク湖沼群 15〜23 5〜20.3 6.5〜8.2
スミス湖 -1.1〜23.1 1.2〜21.5 6.5〜8.4
パクソン湖沼群 2.1〜19.8 1.7〜19.6 7〜8.4
キナイ湖沼群 6.3〜16.5 4.8〜19.1 6.5〜8.14
藻類:アラスカ新産の黄金藻3属:Spiniferomonas,Polylepidomonas,Paraphysomonasとそれらに所属する新産種24が見出され、アラスカに分布する種は88となった。バロ-湖沼群には5属17種、ト-リク湖沼群には6属35種、スミス湖には4属18種の黄金藻が分布し、Mallomonas caudataがト-リク湖で7月に、バ-レン湖で9月に優占し、水の華を形成し、スミス湖では9月にSynura peterseniiとMallomonas2種の水の華が形成された。バロ-湖沼群の培養品からはOchromonasの新種と認められる1種が観察され、またツンドラの小湖沼ではEuglenaの水の華が観察された。珪藻はバロ-湖沼群で23属85種が同定された。これらの種は世界に広く分布するものであり、北極圏の藻類でも表現型での著しい変異は観察されなかった。極地湖沼では活動期間が短縮されているためか、種類組成の変化が激しいようであった。黄金藻は一般に好酸性であると考えられているが、アラスカの比較的大きい湖沼の水は中性かややアルカリ性を示すのに、黄金藻が多数生息しており、検討を要する問題である。一方8月から9月における湖水の化学的諸性質については、次のようであった。
湖沼 Chlーa(ug/l) Chlーc(ug/l) Nitrate(ugーatーN/l) DOC(mg/l)
バロ-湖沼群 0.012〜0.054 0.007〜0.033 0.6〜9.7 1.7〜39.6
スミス湖 0.024〜0.160 0.003〜0.022 0.6〜5.1 42.0〜44.0
パクソン湖沼群 0.009〜0.089 0.006〜0.023 2.6〜3.7 1.9〜19.5
キナイ湖沼群 0.009〜0.068 0.010〜0.100 3.4〜40.6 1.1〜12.1
特にDOC量はスミス湖に多く、日本の腐植栄養湖の蔵王の池の3倍以上もあり、アラスカ湖沼の特徴の1つを示している。生息する生物との関連について、さらに検討を加えたい。

報告書

(1件)
  • 1989 研究成果報告書概要

URL: 

公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi