研究課題/領域番号 |
63044105
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
尾添 紘之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (10033242)
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研究分担者 |
SHAHRYAR Mot マサチューセッツ工科大学機械工学科, 準教授
NORM Lior ペンシルベニア大学応用機械工学科, 教授
WARREND Seid ペンシルベニア大学化学工学科, 教授
小竹 進 東京大学工学部九州大学機能物質科学研究所客員部門, 教授 (30013642)
藤井 哲 九州大学機能物質科学研究所, 教授 (20038574)
SEIDER Warren D. University of Pennsylvania
LIOR Noam University of Pennsylvania
MOTAKEF Shahryar Massachusetts Institute of Technology
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1989年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1988年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 磁場抑制 / 三次元自然対流 / 液体金属 / チョクラルスキ-法 / 対流伝熱速度 / 固液相変化 |
研究概要 |
溶融半導体材料や液体金属は導電性流体として知られこの特性を利用した外部磁場印加による伝熱流動の制御が工業的に試みられているが、その機構については必ずしも明らかではなく経験的な装置の設計や操業が行われている。本研究ではこの問題を基礎に立ち返って検討することをめざしている。即ち、立方体容器内に導電性流体を満たし、側壁加熱、対向する側壁から冷却した際に発生する自然対流を例として、磁場を外部からX軸、Y軸あるいはZ軸方向(重力方向)に一様に印加した時の効果を理論的に検討するため、三次元対流解析プログラムを開発した。レイリ-数10^7、プラントル数0.054、ハルトマン数100の条件の下で三方向の外部磁場を加えた結果、磁場抑制はX軸、Z軸、Y軸方向の順に弱くなった。流れに直交する外部磁場が対流抑制に効果があるという通説に反し、主流断面に直交する磁場は最も対流抑制が悪いことがわかった。このような理論的予測結果を検証するため、3cm角の立方体容器内に液体ガリウムを満たし、同様の加熱・冷却条件下において、加熱冷却板に直交する水平磁場(X方向)および加熱冷却板に平行かつ水平方向(Y方向)に外部磁場を加え、自然対流を抑制させ、熱伝達率を実測した。磁場は磁極直径10cmの電磁石を用い、最大印加磁場は3800Gaussである。実験装置は磁極板間隔10cmの中に入り、かつ電気加熱、水冷却を行うため、かなり困難な設計となったが、得られたデ-タは一貫性のある信頼できるものと考えられた。その結果、X方向磁場は対流抑制結果が大きく、Y方向磁場の場合、同様の抑制効果を得るためには約10倍の強力な磁界を与える必要のあることがわかり、先の理論解析が充分裏付けられた。ただ、実験においては高精度の熱伝達率測定結果を得るため電気加熱とせざるを得なかったが、解析においては等温加熱としたため、完全な定量的検証には至らなかった。 次に、チョクラルスキ-対流の流動形態が、成長結晶中の微細構造や不純物濃度分布に大きく影響することが知られているが、その機構に不明な点が多いので、シリコンオイルを被験流体とし、液晶粒子を混入し、流れの可視化と温度の可視化を行った。直径10cm、高と10cmの透明アクリル円筒容器を30℃の恒温水槽に浸し、加熱源とし、シリコンオイルの上液面に低温(20℃)回転銅容器の底面を接し、冷却面とし、チョクラルスキ-対流のシミュレ-ションを行った。さらに、冷却底面下30mmにCーC熱電対を設置し、液温度の変動を測定した。この結果、円筒周囲からの加熱による自然対流と、回転底面による強制対流とが述方向の流れを引き起こした。本来のパラメ-タはGr/Re^2であり、浮力支配のGr/Re^2が大の時、冷却面から下降する周期流れが支配的となり、慣性力支配のGr/Re^2が小の時、冷却面に向かって上昇し、回転底面周囲より飛ばされる周期流が生じることがわかり、両者の流れが単結晶引き上げの進行と共に遷移することが予測できた。また、モタケフ助教授との協同研究において、種々の半導体材料の塑性流動を支配する温度条件に付いて検討し、ガリウムヒ素、インジウムリン、カドミウムテルル等の複合半導体は温度伝導率が小さく、臨界分解せん断応力が小さいため、シリコンに比べて塑性流動がはるかに生じやすいことが理論的に明らかにされた。さらに、半導体材料の種々の物性値の収集を行い、現在それを整理中である。また、半導体製造プロセスに関するレビュ-を行っており、まとまり次第学術誌に発表を予定している。
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