研究課題/領域番号 |
63044134
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
松村 潤 日本大学, 文理学部, 教授 (90058660)
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研究分担者 |
中見 立夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (20134752)
香坂 昌紀 東北学院大学, 文学部, 教授 (90048778)
細谷 良夫 東北学院大学, 教養学部, 教授 (50042164)
河内 良弘 京都大学, 文学部, 教授 (20068688)
神田 信夫 明治大学, 文学部, 教授 (40061692)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1989年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1988年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 中国・東北 / 清朝 / 女真 / 満州 / 襠案史料 |
研究概要 |
平成元年度の研究計画は、平成元年6月4日に発生した北京・天安門事件とその後の中国情勢の急変により、日程の大幅変更や、派遣予定であった研究分担者1名が都合により別の分担者に変更となるなど、申請時の計画の大きな変更を余議なくされてしまった。しかし、全体日程の短縮・変更にもかかわらず、結果的には当初に予定した共同研究・調査活動をほぼ実施することが可能となった。今年度は、 1.黒龍江省を中心とした野人女直関連史跡および文献 2.北京・中国第一歴史襠案館、中国科学院図書館等の文献 3.遼寧省と朝鮮半島を結ぶ交通路 の3部門にわたる共同研究を実施した。 1.は遼寧社会科学院を中心に、黒龍江省文化局の協力を得て、三姓(依蘭)等に代表される松花江流域に散在する野人女直の根拠地、寧古搭城址に代表される牡丹江流域に存在する清朝入関前、清初史関係遺跡を調査・研究した。さらにこの地域に伝えられている満族の伝承や、野人女直出身で清代には「新満州」に分類されていた民族が、中華民国時代に漢族に転じ、さらに現在は赫哲族に分類されているといった、中国における「民族」の現況に関する聞き取りを行なった。以上の史跡、民族関係の調査は、同時に日本側研究分担者と中国側研究担者に加えて、各史跡等の所在地の現地研究者を交えて討論を行ない、より正確な状況把握につとめた。 2.は黒龍江省・吉林省における現地調査・研究を踏まえた文献史料研究であり、従来までまったく未公開であった吉林省襠案館について、同襠案館の館員から襠案所蔵の概況について説明を受け、黒龍江省内各地の襠案館の状況について調査を実施した。さらに北京では中国第一歴史襠案館、中国社会科学院民族研究所、中国科学院図書館等において満文、蒙文史料を中心にした清朝形成期史料の所在調査と研究状況の調査を行なった。 3.は先年度実施した遼寧省における調査の補完を主とするものであるが、同時に遼寧社会科学院の共同研究分担者と、遼寧省東部の新賓から桓仁、そして中国・東北部から朝鮮半島へ通じる交通・交易路に関する共同研究・調査を行なって、桓仁、寛甸等の史跡の現状確認につとめ、現地の文化・歴史・民族研究者と研究交流を行なった。 なお、昭和63年度に引続き今年度も中国側研究者3名を日本に招聘し、日本所在の満文文献を中心とする清朝初期史料の調査、ならびに日中の清初史研究の現状をテ-マとする共同研究を実施した。なお、その調査結果は基礎デ-タとしてまとめて、将来の日中共同研究の資料とする予定である。
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