研究課題/領域番号 |
63044150
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
藤巻 秀和 国立環境研究所, 環境健康部, 主任研究員 (00124355)
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研究分担者 |
BISSONNETTE The University of Calgary Dept.of Micro., 研究員
SWIETER M. The University of Calgary Dept.of Micro., 研究員
LEE T.D.G. The University of Calgary Dept.of Micro., 研究員
DEAN Befus A The University of Calgary Dept.of Micro., 教授
小澤 仁 東京慈恵会医科大学, 耳鼻咽喉科, 助手 (10147291)
今井 透 東京慈恵会医科大学, 耳歯咽喉科, 助手 (00130146)
河越 昭子 国立環境研究所, 環境健康部, 研究員 (20177661)
LEE Tim The University of Calgary
BEFUS Dean The University of Calgary
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 肥満細胞 / Nitrite / Nitrate / ホルムアルデヒド / ヒスタミン / Cytotoxicity |
研究概要 |
1. ラット腹腔より単離した結合組織型の肥満細胞へのin vitroでのNO_2暴露により、その後の抗原や抗IgE抗体により誘導されたヒスタミン、βーヘキソースアミニダ-ゼ遊離の抑制が認められた。神経性因子であるサブスタンスPによる誘導されたヒスタミン、βーヘキソースアミニダ-ゼ遊離も抑制された。ところが、カルシウムイオノフォアA23187による遊離作用にはほとんど影響を与えなかった。 2. NO_2暴露による生体内に生じるnitrite,nitrateの影響を検索するために寄生虫感染ラットから腹腔の結合組織型肥満細胞を、消化管より粘膜型肥満細胞をそれぞれ単離し in vitroでnitrite,nitrate処理し、その後のメディエ-タ-遊離を検索した。粘膜型肥満細胞では、nitrite,nitrateのみで10%程度のヒスタミン遊離を誘導した。ところが、結合組織型肥満細胞ではほとんどその遊離で認められなかった。 3. Nitrite,nitrate処理後の結合組織型、粘膜型肥満細胞において抗原、抗IgE抗体により誘導されるヒスタミン遊離は、有意に亢進した。nitriteと比較では、両者に差が認められなかった。この亢進作用は温度依存性であった。 4. ホルムアルデヒド溶液による結合組織型、粘膜型肥満細胞への影響について、細胞毒性は 500μg/mlの濃度から粘膜型肥満細胞でみられたが、結合組織型肥満細胞では認められなかった。ホルムアルデヒド処理後の結合組織型肥満細胞での抗原により誘導される ヒスタミン、 βーヘキソースアミニダ-ゼの遊離は、10ー20μg/mlの濃度では有意な亢進がみられたが、100μg/mlのホルムアルデヒドでは著しい抑生が認められた。一方、粘膜型肥満細胞ではいずれの濃度でも亢進はみられず、濃度依存の抑制がみられた。A23187による遊離も結合組織型肥満細胞ではIgE抗体依存の結果と同様であり、低濃度では亢進が認められた。 5. ホルムアルデヒドガスと溶液との影響を比較する目的で、 5ppm ホルムアルデヒドガスの in vitro暴露を結合組織型肥満細胞で行なった。その後の抗IgE抗体刺激によるヒスタミン遊離、A23187によるヒスタミン遊離ともに有意な亢進が認められた。なお、走査電顕の観察では、肥満細胞表面上にホルムアルデヒドの影響は認められなかった。 6.WEHIー3細胞の培養上清を用いて骨髄細胞から肥満細胞の分化・増殖する系を確立し、ホルムアルデヒドの影響について検索した。肥満細胞はアルシアンブル-・サフラニンとトルイジンブル-染色により同定したが、5μg/mlでは、細胞の増殖が著しく抑制され、1μg/mlでは肥満細胞の分化が抑制された。 7.種々の濃度のホルムアルデヒドによる前処理をしたあとの結合組織型肥満細胞における抗腫瘍活性の変動について調べた。WEHIー164標的細胞に対するcytotoxicityは、ホルムアルデヒド濃度依存的に抑制された。この抗腫瘍活性は、抗TNF抗体処理によりほとんど認められなくなった。 8. ホルムアルデヒドの蛋白合成系への影響を検索するために、ホルムアルデヒド処理したあとの結合組織型肥満細胞を2時間培養した。そして、^<35>Sーメチオニンで1時間ラベルし、その蛋白をSDSーPAGEで解析した。その結果、ホルムアルデヒド処理によりこれまでの他の細胞で報告されているようなストレス蛋白の誘導がみられることを明らかにした。
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