研究分担者 |
ERMOLAEV Ale 英国ガラム大学, 物理学科, 上級研究員
渡辺 信一 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60210902)
中崎 忍 宮崎大学, 工学部, 助教授 (70041001)
原 俊介 筑波技術短期大学, 教授 (10091919)
崎本 一博 宇宙科学研究所, 基礎共通系, 助手 (60170627)
市川 行和 宇宙科学研究所, 基礎共通系, 助教授 (20013667)
高柳 和夫 宇宙科学研究所, 名誉教授 (30013618)
島村 勲 理化学研究所, 原子過程研究室, 副主任研究員 (30013709)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
この研究プロジエクトは昭和61年度より始まった英国側からの申入れに基づく2年間の学術振興会国際協同研究事業につゞくものである。日本側8名(当初7名)、英国側はB.Bransden(Univ.of Durham)を代表とする原子衝突理論グル-プである。のちに代表者はD.Crothers(Queen's Univ.of Belfast)になった。英国側も日本側の科研費支出に呼応してSERC、British Council等に共同研究のための予算申請を行った。その結果SERCおよびBritishーSasakawa財団から11,000ポンド、British Councilから5,000ポンドの支出が認められた。また平成3年9月に行なわれた日英セミナ-「原子衝突の理論的研究」は本プロジェクトのとりまとめとして行ったものであるが、これには仁科記念財団より120万円、British Councilから50万円の運営費への拠出があった。また昭和63年度の島村勲の渡英については吉田財団が往復運賃をBritish Councilから滞在費が支給された。 昭和63年度には日本から市川行和、原俊介、崎本一博、島村勲が英国へ、B.Bransden(Univ.of Durham),C.Noble(Daresbury Inst),T.Monteiro(Royal Holloway & Bedford New College)が来日した。平成元年には日本から原俊介、中崎忍、島村勲が英国へ、英国からはH.A.Slim(Univ.of Durham),C.J.Gillan(Queen's Univ.of Belfast)が来日した。平成2年度には日本から市川行和、渡部力、原俊介が渡英、英国からはE.A.G.Armour(Univ.of Nottingham),A.M.Ermolaev(Univ.of Durham)が来日共日研究を行った。平成2年9月5〜8日筑波大学に於て日英セミナ-「原子衝突の理論的研究」を開催、英国からはD.C.Crothers(Queen's Univ of Belfast)を代表とする12名が参加、日本側からは滞日中の英国人1人,仏国人1人を含めて20名が参加した。 本プロジェクトでとり上げた問題は日英の研究者が相補的に共同研究できる問題を選んで行った。すなわち電子・イオンの非弾性散乱の問題、分子の動的過程に対するR行列法の応用の問題、原子動的過程に対する外場効果、分子の光イオン化の理論、イオン・原子衝突の理などである。 「電子・イオンの非弾性散乱の問題」では市川行和,中崎認とK.A.Berringtonらの共同研究によって行なわている。從来市川、中崎らはク-ロン・ボルン・サ-ロン2歪曲波などの方法を用いて研究して来たが、これらの経験を基礎にBerringtonらとR行列法による計算を計画、いくつかの系で計算を行った。すなわちHe,Li,B.らを標的イオンについて計算を行った。結果のあるものはPhys,Rev,J.Phys.B誌などに発表した。残りも現在印刷中又は投稿中である。 「分子の動的過程に対するR行列法の応用」では島村勲があるアイデアを提案、これにもとづき英国のP.G.Burke(Queen's Univ.of Belfast),C.Noble(Daresbury Inst.)と共同開発を進めて来たものである。R行列法は動的過程の詳細な物理過程を計算可能にする方法である。これを用いて水素分子での2電励起リウドベリ状態について総合的かつ徹底的な理論研究を実施した。結果はPhys.Revに発表されている。また島村勲とP.G.Burkeはこれらの研究を含めた総合報告をMolecular Processes in Space.T.Watanab,I.Shimamma,M.Shimizu and Y.Itikawa(ed),Plenum Ress 1990に共同執筆した。 「原子過程中の外場効果」では崎本一持が、Berringtonらと共同研究を進めて来た。原子の光電離,電子の原子による非弾性散乱、放射性再結合等で放射性緩和の項の重要性を指適し、多荷イオンの場合にはこの過程が無視できないことを示した。結果はPhys.Rev.に発表されている。 その他現在進行中の共同研究として原俊介とE.Armourの「dtu励起分子の脱励起過程の計算」、渡部力とA.Ermolaevの「イオン・原子衝突過程の入射係散、近密結合計算」などがある。その他、共同研究をもとに得られたアイデアを生した研究、結果の討論での重要なコメントを得ることが出来た。
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