研究課題/領域番号 |
63044170
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研究種目 |
海外学術研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
河野 健二 京都市立芸術大学, 学長 (90186114)
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研究分担者 |
福井 文雅 早稲田大学, 文学部, 教授 (40063606)
加藤 正泰 中央大学, 文学部, 教授 (40054928)
長坂 健二 放送大学, 教養学部, 助教授 (40000187)
西川 潤 早稲田大学, 政経学部, 教授 (10063653)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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キーワード | 日仏学術交流 / 先進国経済社会 / 国際化 / 情報化 / 異質文化接触 |
研究概要 |
昭和63年10月3日ー13日の期間に、日仏経済学会、日仏数学会、日仏社会学会、日仏東洋学会は、それぞれ、専門分野の代表的科学者をフランスから招へいし、シンポジウムを開催した。これらの会議は、第5回日仏学術シンポジウムの枠内で、開かれ、先進国経済社会の直面する国際化、情報化、異質文化の接触等の最先端的問題をテーマとして扱ったものである。日仏経済学会のシンポジウム「日仏海外民間投資の比較検討」では、日仏経済の海外投資の進展、それによって起こる国内産業構造の変化、経済国際化の問題を検討した。研究分担者、西川は、「海外投資の理論的検討ー日本企業の多固籍化」、デスタンヌ・ド・ベルンスは「L'investissement exteriem direct et systemes productifs en France et au Japon」(日仏の海外投資と生産講造)と題する報告をそれぞれ行ない、国際化動因としての企業多国籍化が日仏経済に及ぼす影響を明らかにした。日仏数学会主催の「日仏解析理論」では、研究分担者、長坂は、ネバダ州立大学のShireと共同して「Asymptotic distribution and independence of g-adic integer Sequences」(gー逓整数の漸進分析)、テネンバウムは「On a Problem of Endos and Schingel」と題する報告を、それぞれ行ない、今日、飛躍的な進展を示している。解析理論の分野で、自然数の整理に関する新しい方法を提示した。 日仏社会学会の「教育と社会」シンポジウムで、研究分担者アンサールは、「Eclatement des savoirs et formation scientifique」(知の解体と科学的認識の生成)と題する報告を行ない、加藤がこれにコメントをした。ここでは、知識社会学の見地から、情報化の根底としての新たな科学認識が、既成知識を解体して出題することを示した報告である。日仏東洋学会では、研究分担者ヴァンデルメッシュが、「Le Xuanxue a l'intersection philosophique du taoisme et du Confucianisme」(儒道交流における玄学)と題する報告を行ない、同じく福井がこれにコメントを付した。ここでは、異質文化の接触から新しい学問・文化が生成する過程が示された。これらの会議における報告のほか、招へい学者ベルニスは、早稲田大学、東京大学、国際公共経済学会、立命館大学で、タネンバウムは、金沢で開かれた。日本数学会で、ヴァンデルメルシュは、大正大学で開かれた、日本中国学会、及び京都の仏教大学で、またアンサールは、高崎経済大学で、それぞれ講演、報告を行ない、日本側学者と学術交流の実践を上げた。これらの研究、学術交流と踏まえた、日仏学術交流の評価の会では、今後の総合学術交流について、次の論点が示された。(1)既に5回を数えた日仏学術シンポジウムを中心とした日仏間の学術交流は、今後さらにそれぞれの分野での講師交換、共同研究、等によって、展開されるべきである。(2)近い内に発足するフランスでの日仏文化センターを足がかりとして、フランス側でも一段と活発に日仏間の学術文化交流にとり組むべきである。(3)そのためにフランス側でも、日本側と同様に、各分野で日仏間の学術交流をすすめる学会が結成されるべきである。(4)今回の日仏学術総合交流に関する文部省科研費の効果的な支援に感謝し、先進大国となった日仏間の学術交流を、今後各自の専門分野で、一層精力的に推進する。
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