研究課題/領域番号 |
63045012
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
深沢 力 山梨大学, 工学部, 教授 (70023017)
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研究分担者 |
馮 易君 成都科技大学, 講師
王 万鈞 成都科技大学, 助教授
劉 祖策 成都科技大学, 助教授
張 世森 成都科技大学, 教授
顧 永作 成都科技大学, 教授
張 義方 成都科技大学, 教授
黄 文輝 成都科技大学, 教授
川久保 進 山梨大学, 工学部, 助手 (90143958)
岩附 正明 山梨大学, 工学部, 助教授 (20020430)
FENG Yijun Chengdu University of Science and Technology, Assistant Professor
WANG Wanjun Chengdu University of Science and Technology, Associate Professor
LIU Zuce Chengdu University of Science and Technology, Associate Professor
ZHANG Shisen Chengdu University of Science and Technology, Professor
GU Yongzuo Chengdu University of Science and Technology, Professor
HUANG Wenhui Chengdu University of Science and Technology, Professor
ZHANG Yifang Chengdu University of Science and Technology, Professor
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 中国四川盆地 / 大気汚染 / 大気粉塵 / 関東・山梨地区 / 酸性雨 / 環境分析 / 状態分析 / Characterization |
研究概要 |
研究期間の3年間、毎年次のように研究会を日本と中国で各1回づつ開催し、研究課題に関する調査、研究発表、討論など行った。その際、日本では関東の工業地帯と山梨の大気の状態や公害防御施設、環境測定や研究のための施設、環境測定・分析機器メ-カなどを、中国では成都を中心に四川省地区の大気汚染および測定の状況、研究施設などを視察調査し、多方面にわたる情報の収集・交換を行い協力研究の成果を挙げる努力をした。 【63年】(1)5月に小出学長、豊島庶務課長、深沢、岩附が訪中、成都科技大において先方学長以下関係者と計画、推進方法など討論、打ち合せし、学内諸施設の見学、関係者との懇談、成都市の大気汚染および調査・研究の状況、設備など視察し、粉塵試料も採た。(2)11月に張世森、顧永作、劉祖策の3名招聘、山梨大で研究会開催。大気粉塵のイオンクロマトグラフィ-(張)、成都市降下煤塵のX線回折分析(劉)、四川の大気汚染に関する過去の研究概要(顧)、四川省大気粉塵の物理分離・X線分析(岩附)等の講演・討論を行い、新日鉄君津製鉄所の環境保全施設など視察。 【平成元年】(1)7月、黄文輝、王万均、馬易君の3名招聘、山梨大で研究会開催。大気粉塵中のVの接触定量と硫酸塩の吸光光度定量(王)、抽出クロマトグラフィ-によるSr^<90>の定量と成都市大気中のラドン娘核濃度の測定(馮)、大気汚染物質測定方法の改良状況と成都市の汚染状況(黄)、試料分解に於ける問題点(深沢)、中国渡口市降下煤塵の微小部X線回折計分析と成都市大気粉塵のX線回折・蛍光法分析(岩附)、硫黄の高感度接触定量(深沢技官)等の講演と討論を行い、川崎市扇島の東京電力火力発電所とNKKの排ガス処理施設、環境測定施設など視察。(2)10月、深沢、岩附、深沢技官が訪中、成都科技大で研究会開催。他国の環境問題への取り組み(国際会議報告)とX線法による大気粉塵分析(深沢)、関東・山梨地区の酸雨の研究状況(岩附)、成都の大気粉塵中の無機(劉)及び有機化合物(張世森)の研究、大気中フッ化物の自動分析装置(張懐渓)、四川の環境研究の現状(顧)等の講演と討論を行い、成都市環境中心その他を視察。 【平成2年】(1)9月、劉、顧、張義方及び張天成外事処副処長招聘、山梨大で研究会開催。石膏・石英のFT赤外分析(劉)と文献調査(岩附)、成都地区大気粉塵の研究(顧),酸雨と大気粉塵中の可溶性硫酸塩のFIA比濁定量、大気粉塵のマイクロ波・酸分解(張)、大気粉塵粒度分布曲線作成法(岩附)、雨水中のAI定量法(川久保)。微量ヨウ素の接触定量法(梁)等の講演と討論をし、千葉市の川崎製鉄の分析・環境測定設備、島津製作所、理学電機工業(株)などの視察と分析機器の調査。(2)12月、深沢、岩附、川久保が訪中、成都科技大で研究会開催。半自動接触分析装置の開発と硫黄の定量、天然水中のAIの定量(川久保)、成都市雨水中の有機汚染物質(張世森)、大気粉塵中のFe_3O_4とFe_2O_3のX線回折定量、大気粉塵粒子の微小部X線回折とXMA分析(岩附)、四川地区酸雨中硫酸の定量(顧)、極微量MnのICP定量(張懐渓)、鉱石中燐酸のマイクロ波・酸分解FIA吸光光度定量(張義方)等講演と討論をし、成都市環境研究所と成渝地区を視察。 【新知見と成果】1)成都地区の大気粉塵量は1981〜1983年を山に減少傾向にあるが、日本の2〜3倍であり、冬は夏の2倍以上である。2)粉塵、雨水双方に石炭燃焼から来る炭化水素類、発ガン性物質が多数検出され、硫酸塩も多い。3)日本では特殊工場との関係で大気粉塵中に石膏が多い所があるが、四川省地区では石膏が一般に多い。4)四川の酸雨は、工場の改善により減少した所もあるが、局地的に深刻で日本より酷くSO_×が主役。5)中国の大気汚染は石炭燃焼で年々悪化している感じ。6)種々新分析法が開発出来た。7)研究の一部はポ-ランドで開催された国際会議(1989年9月)で講演、表彰された。8)中国側は日本の環境政策、公害防御設備・機器、国民的努力のほか日本を、日本側も新知識を得、中国を学んだ。9)研究会も回を重ねるに従い親密を増し、情報交換、討論も活発になり、成果が挙がるのを感じた。10)日中の学術交流と親善に貢献できた。
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