研究課題/領域番号 |
63045013
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
志水 昭史 岐阜大学, 工学部, 教授 (50021564)
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研究分担者 |
坂井 臣司 岐阜大学, 工業短期大学部, 助手 (00021791)
若井 和憲 岐阜大学, 工学部, 助教授 (50021621)
王 振子 浙江大学, 能源工程学系, 高級実験師
杜 天申 浙江大学, 能源工程学系, 講師
李 径定 浙江大学, 能源工程学系, 教授
ZHENZI Wang Zhejiang University, Dept. of Energy Engineering
DING Li Jing Zhejiang University, Dept. of Energy Engineering
TIANSHEN Du Zhejiang University, Dept. of Energy Engineering
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 内燃機関用代替燃料 / メタノ-ル / 水素 / 定容燃焼器 / ガス温度測定 / Temperature Measurement |
研究概要 |
1.まえがき 近年代替燃料、特に自動車用のそれについての研究はエネルギ-資源のみならず地球環境保護の立場からも活発になり、現在アメリカ、西ドイツ、カナダ、日本、スエ-デンなどでメタノ-ル(メチルアルコ-ル)自動車のフリ-トテストが行われている^<(a)>。石油資源が少なく石炭埋蔵量の豊富な中華人民共和国(中国)では、石炭転換によるメタノ-ル代替燃料についての研究が、大学や研究所独自またはフォルクスワ-ゲン社(西独)との提携のもとで、主として実車試験が行われている。 2.実験結果 本研究に関係する二大学の研究実績を考え、浙江大学は主として実機の燃焼実験を担当、岐阜大学は定容燃焼器内燃焼に関する測定系、特に赤外線によるガス温度測定を実機で行う方法についての技術供与も含めた研究を行った。 (1)メタノ-ルの燃焼 80x90x50mmの寸法を持つ燃焼器を用いメタノ-ル・空気混合気の圧力と温度履歴を種々の条件について測定した。一例を図に示す。到達最高温度はプロパンの場合ほとんど同じである。これはメタノ-ルの断熱火炎温度が数10K低いにもかかわらず、火炎温度が当量比φ<1.2では10%以上も速く冷却損失が減少するためと考えられる。これは同一回転数における燃料消費率がガソリンより小さい理由として、燃焼温度が低く放熱損失、熱解離が少ないためと言われていることがそのまま適用できないことを示唆している。実機における燃焼ガスの壁面冷却は単に燃焼速度だけではなく、ガスの乱れなどに強く支配されることを考えれば、この定容燃焼器の結果をそのまま用いることは難しく、本研究に用いた測定方法を用い直接実機の状態を調べる必要がある。なお排気ガス中のNOx濃度も火炎温度とその経過時間に支配されると考えられ、この点の測定は今後に残された課題である。 (2)副室の影響 前述の燃焼器の80x50mm壁面の中央に副室を設け、その影響を最高圧力到達時間の短縮割合で検討した。φ=1.0、噴口径d=3.0mmの場合、時間は62.5%に短縮され、比較に用いたC_3H_8の67.5%とほぼ同じである。またシュリ-レン写真による火炎の発達過程もC_3H_8と殆ど変わりがない。 (3)水素の影響 本研究では水素を主燃料としてではなく、副室内水素により高速の火炎ジェットを作り、燃焼速度の遅い希薄混合気の燃焼時間を短縮する手段として用いた。副室体積割合が0.91%と小さい場合でも37.2%にまで短縮され、メタノ-ルを副室燃料に用いた場合の59.5%になる。また両者の火炎形態の特徴をシュリ-レン写真により観察した。 3.結論 本研究は、主として単室、副室付の定容燃焼器内の燃焼機構に焦点を絞り、火炎の圧力、温度の履歴、火炎の発達過程、水素火炎ジェットによる燃焼促進効果などについて調べ、火花点火機関の代替燃料としてメタノ-ルを用いた場合の基礎デ-タを得る手段を検討した。また、浙江大学においても光学的温度計測が可能となり、今後の研究の基礎が作られた。 文献 (a)自動車技術会、メタノ-ルエンジンの開発 '89, NO.09.(1990).
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