研究分担者 |
ミラエリナ ネシコビッケ リュブリアナ大学, 理学部(ユーゴスラビア), 教授
オスロニク ボリス リュブリアナ大学, 生物工学部(ユーゴスラビア), 助手
ボハネック ボルート リュブリアナ大学, 生物工学部(ユーゴスラビア), 講師
ヤウ゛オルニク ブランカ リュブリアナ大学, 生物工学部(ユーゴスラビア), 教授
クレフト イウ゛ァン リュブリアナ大学, 生物工学部(ユーゴスラビア), 教授
池田 一 宮崎大学, 農学部, 学長 (20038194)
高木 浩 宮崎大学, 農学部, 教授 (90094078)
水光 正仁 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00128357)
貴島 祐治 宮崎大学, 農学部, 助手 (60192556)
薮谷 勤 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70112414)
NESKOVIC Miraelina Prof. Faculty of Science, University of Ljubljana
OSORNIK Boris Assistant Plant Genetics and Breeding Department, Biotechnical Faculty Universit
BRANKA Javornik Assoc. Prof. Plant Genetics and Breeding Department, Biotechnical Faculty Univer
KREFT Ivan Prof, Plant Genetics and Breeding Department, Biotechnical Faculty University of
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
本国際学術研究(大学間共同研究)は1980年次来関係教官の間で実施されてきた国際共同研究の上に、1987年国際学術交流協定を結んだユ-ゴスラビア国リュブリアナ大学生物工学部のグル-プとの間で共通認識のもとに実施されたものである。 植物の遺伝的変異拡大を図るためには、近縁野生種を探索・導入するほか、従来の交雑育種法の壁を打破しなければならず、これらの解決にバイオテクノロジ-手法を活用し無性的遺伝子交換をすることが開発されなければならない。本研究はかゝる観点から育種障害を克服するための諸手法、とくに組織培養法の適用と遺伝子操作にかゝわる周辺領域について両大学の教官を中心に進めた。得られた成果の概要は次のとおりである。 1.細胞融合:イネ科牧草,ソバ,トマト等でプロトプラストを単離し、融合を実施した結果、一部の種においては雑種の確認をrRNAをコ-ドする遺伝子の相同性で行なうことができた。 2.遺伝子操作:ベタレイン色素合成に関与するチロシナ-ゼの活性を系統間差として把え、生合成過程での遺伝子想定が可能となった。また、形質発現と関連して、翻訳後のチロシンの硫酸酸化現象を植物カルスを用いて把えようとしたが、動物とは異なって翻訳後のチロシンの硫酸化は生じておらず、形質発現段階の遺伝子の作用変更を見出すまでには至らなかった。 3.培養法の検討:植物カルスの増殖と分化能に関連する問題として培地中の亜鉛含量との相関性を調査し、とくに分化能とは相関は認めなかったが、増殖量との間に相関を認めることができた。 4.園芸植物の培養:アヤメ属植物の種間交雑育種を展開しているが、本共同研究期間中カキツバタメハナショウブの人為複二倍体における細胞学的特性を調査するとともに、交雑不和合性の克服とアヤメ属の野生種探索のためにユ-ゴスラビア国で調査、研究討論する中で、クレフト教授等から得た本属植物の培養技術上の知見は上述の研究遂行上貴重な情報となり得た。 5.ソバ粒内蛋白:本研究を展開中可溶性蛋白質のSDSーPAGE 電気泳動法の適用を両グル-プで論議し、遺伝マ-カ-としての蛋白質に着目した実験を行った。他直性作物のソバ粒の一小片を使用し、かつ、その固体を播種育成し、特定組合せ個体間での遺伝様式の検討が可能になった。今後の共同研究の展開に貴重な資料を提供するものである。 なお本共同研究の最終年度成果報告会を兼ねて国際コロキウムを計画したところ、参加国10、外国人16名を含む総数80名の研究集会が開催できた。アメリカ、ソ連、ドイツ、日本等の研究者のほか、フィリピン、中国、韓国、スリランカ等の研究者の活発な意見討論がなされ、国内からも北道海・山形・名古屋大学等の参加を見た。新しい手法展開のみられる一方、従来の育種法の重要性も論議され、育種障害の克服は古くて新しい問題であることを改めて認識する結果となった。
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