研究課題/領域番号 |
63050002
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研究種目 |
核融合特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 平七郎 北海道大学, 工学部, 教授 (80001337)
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研究分担者 |
黒川 一哉 北海道大学, 工学部, 助手 (00161779)
室賀 建夫 九州大学, 応用力研究所, 助教授 (60174322)
河西 寛 東京大学, 工学部, 助手 (40010970)
松井 秀樹 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005980)
阿部 勝憲 東北大学, 工学部, 教授 (70005940)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1988年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 核融合炉第一壁構造材料 / バナジウム合金 / 高温強度 / 高温脆化 / 固溶硬化 / 照射効果 / 点欠陥・ボイド |
研究概要 |
高温強度、リチウムの共存性、誘導放射能など種々の機能性から、バナジウム合金は将来の核融合炉第一壁構造材料として大きな期待がかけられている。本研究ではバナジウム合金の強度向上、照射下におけるミクロ組織の安定化、およびガス成分との反応を抑制することを目的として実験を進めてきた。得られた研究成果の概要を以下に記述する。 (1)バナジウム合金の高温における機械的性質はSi、Nb、Ti、など置換型元素の添加により固溶体硬化し、また不純物酸素との相互作用により脆化の原因となる不連続変形を伴うことを明らかにした。この脆化改善のためにはYなど酸素との親和力の大きな元素の微量添加が極めて有効であることを見出した。 (2)Mo、Nb、Feを添加したモデル合金ではいづれも照射硬化することが認められた。この照射硬化はV-Fe合金が最も大きく、V-Mo合金で最小となり、比較的低温度では点欠陥のクラスター形成と、また高温度ではボイド分布と強く関係することを明らかにした。 (3)照射により生じる欠陥の挙動をその場観察で調べ、点欠陥の拡散の活性化エネルギを求めた。その結果点欠陥は合金元素と相互作用していることを明らかにし、相互作用の結果溶質元素は粒界などの点欠陥のシンクで偏析(溶質元素サイズに強く依存)を生じることを示した。 (4)核融合炉での照射において核生成されるHeの効果をB添加した合金を用いた模擬実験から検討を行った結果、中性子照射中に核変換により生成したHeがボイド核生成として作用することを明らかにした。 (5)VへのTiおよびCrの添加は水素の固溶を著しく抑制することを明らかにし、この効果はTiあるいはCrの酸化皮膜形成によることが示唆された。 (6)本研究およびこれまでに発表された文献の調査から、当面V-Cr-Tiをベースにした合金開発が重要であると結論された。
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