研究概要 |
トカマク装置第一壁材料の不純物分析や低放射化の評価に必要な、構成元素の14MeV中性子による短寿命放射化断面積を測定し、不純物分析が出来るシステムを整備することを目指した。そのため2つのシステムを整備した。A)高速サンプル気圧輸送系・HpGe検出器・オクタビアン回転ターゲット、MCS・PHA二次元元分析装置を組み合わせるシステムで、半減期数十秒から数十分のものを対象とする。B)オクタビアン中性子源の断続運転化とIn-SituのHpGe検出器、MCS-PHA二次元分析装置をオンラインで組合せるシステムで、半減期十秒以下μs領域に及ぶところを対象とする。本年度の研究作業により、上記A)とB)の二システムが試作・テストされ、現在稼働可能の状態となっている。 システム-Aの整備により、^<14>N(n,2n)^<13>N,^<25>Mg(n,p)┣D125Na,┣D127┫D1Al(n,p)┣D127┫D1Mg,┣D131┫D1P(n,2n)┣D130┫D1P,┣D151┫D1V(n,p)┣D151┫D1Ti等多くの核種と反応別の放射化断面積が、中性子入射エネルギー13〜15MeVの6点において精度良く測定できた。また、半減期の測定も行なわれた。今後多くの核反応についての測定が可能である。 システム-Bは整備作業を残しているものの、作動原理の実証及び、^<16>O(n,p)^<16>N,T_<1/2>=7秒及び^<208>Ph(n,2n)^<208m>Pb,T_<1/2>=0.8秒の測定に成功し、今後非常に短い半減期の放射化断面積の測定と分析に有力な手段として使えることがわかった。
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