研究課題/領域番号 |
63050044
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研究種目 |
核融合特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松下 照男 九州大学, 工学部, 助教授 (90038084)
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研究分担者 |
落合 庄治郎 京都大学, 工学部, 助教授 (30111925)
長村 光造 京都大学, 工学部, 教授 (50026209)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1988年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 超電導体 / Nb_3Sn / 結晶粒界面 / 要素的ピン力 / 臨界電流密度 / 第三元素添加 / 応力効果 |
研究概要 |
超電導マグネットの高磁界化のために、超電導Nb_3Sn線材の高磁界下での臨界電流密度を改善する必要があるが、その方法として主要なピン止め中心である結晶粒界面のピンニングの強さ(要素的ピン力)を大きくすることが考えられる。昨年度のTi添加に続き、本年度はGaを添加することによる界面の要素的ピン力の変化を調べた。その結果、ブロンズ(7.0at%Sn)にGaを1.1at%添加した場合に要素的ピン力が最大となり、5.5×10^<-4>N/mの値が得られた。これは無添加の場合の4倍程度の値である。これに対応して、高磁界特性も改善され、優れたV_3Gaに近い特性が得られた。この結果は添加元素としてGaがTiより優れていることを示すもので、今後、添加量の最適化を計る必要がある。 このようにNb_3Snに第三元素を添加したとき、結晶粒の形状やNb_3Sn層の降伏応力が変化することが考えられる。最も一般に行われるTi添加の場合には結晶粒成長が抑えられ、添加はこの面からも臨界電流密度の向上に有効であることが明らかとなった。また、恐らく添加元素が界面に偏析することが原因してNb_3Sn層の降伏応力が低下することが明らかとなった。このこのは添加材では応力効果による特性劣化が著しいことを示しており、何らかの対策を講ずる必要雅有る。 以上の結果はTiやGa等の添加を行った場合、周囲のブロンズ等の熱収縮による圧縮歪の影響を受けやすいことを示している。したがってこの影響を低減するために、前もって室温で線材に応力をかけてブロンズ等に降伏を起こさせておき、低温での圧縮歪をなくす方法を提言した。前もって加えるべき応力は解析により見積もることができる。この方法に基づいて、いろんな構成材料比の線材を任意の状況下で使用することきに、最高の特性を発揮できるようにすることが可能である。
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