研究課題/領域番号 |
63055002
|
研究種目 |
核融合特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
岩渕 明 岩手大学, 工学部, 助教授 (00005555)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | マグネットのクウェンテ / 機械的じょう乱 / 極低温トライボロジー / フレッティング / 滑り摩擦 / 摩擦発熱 / ステンレス鋼 / ポリイミド |
研究概要 |
超伝導マグネットのクウェンチの原因となる滑り摩擦の挙動と、それに伴う温度上昇に関して実験的研究を行った。滑り形態を振幅100mmのフレッティングにモデル化して、液体ヘリウム中(4K)、液体窒素中(77K)、大気中(293K)で、主としてsus316Lステンレス鋼とポリイシドを用いて実験を行った。またsus316L鋼試験片に熱電対を挿入して、4Kでの滑り中の温度上昇を測定した。その結果、 1.摩擦特性、特に滑り出しの特性を調べるために、摩擦力と変位のヒステリシスを、手動による滑りと連続フレッティング滑りの二つの状態のもとで調べた。その結果、 (1)ヒステリシスの形は、材料の組合せと、温度、フレッティングの繰返し数の増加により変化し、4種類のタイプに分けられる。それは短形スティック・スリップ、楕円、すべり終了時が摩擦力最大、である。 (2)ヒステリシスの形の、滑り状態による違いは、概して見られない。 (3)静摩擦力が最大となる滑り挙動は、繰返し数の小さいときにのみ見られる。ヒステリシスの形状変化は、摩擦の速度依存性の変化を伴う。 2.摩擦滑りに伴う温度上昇の測定の結果、 (1)本実験での連続フレッティング滑り(荷重20N、振動数8.3Hz)では、最大9.3Kの温度上昇を得た。また温度の変化は摩擦力の変化に対応する。 (2)1サイクルのフレッティング滑り中に、二つの温度ピークが現れ、それは最大速度を示す時点より約30〜50ms遅れる。 (3)温度上昇の大きさは、摩擦力と最大速度の積に比例する。ただし材料の組合わせが異なると、その傾きは異なる。また駆動速度を増加させると、同様に傾きが大きくなる。これは発熱量と冷却速度のバランスで決まる。
|