研究課題/領域番号 |
63055019
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研究種目 |
核融合特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神保 光一 京都大学, 原子エネルギー研究所, 助手 (60162830)
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研究分担者 |
浦本 上進 名古屋大学, プラズマ研究所, 助教授 (10023706)
秋宗 秀夫 京都大学, ヘリオトロン核融合研究センター, 教授 (10028988)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1988年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
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キーワード | 負イオン / シートプラズマ / イオン源 / 中性粒子ビーム加熱 |
研究概要 |
近年浦本型シートプラズマ負イオン源から高密度の負イオン電流が、効率よく引き出されたと報告された。この型の負イオン源では原研型マルティカスプ負イオン源に比べて、低いガス圧及びアークパワーでほぼ同じ程度の電流を得ることができる。さらに引き出し電極に与える熱負荷もはるかに小さい。 本研究は、シートプラズマ形状が体積生成された負イオン引き出しに適していると考え、その物理的特長を明らかにすることを目的とした。まず普通のフィラメントを使った実験で、浦本型圧力勾配式カソードを使った場合と比べて、得られた負イオン電流の特性に大きな差がないことが分かった。従ってカソードではなく、シートプラズマ形状が負イオン電流引き出しに有利であることがはっきりとした。ただ圧力勾配式カソードを使うと、フィラメントに比べてアーク効率がよく、またより低い圧力で負イオン源を動作することができる。 さらに浦本型シートプラズマ負イオン源の実験では、容器のバイアス電圧をアークパワーを一定にしたまま、深く下げることができた。それに伴いプラズマ電位も小さくなった。この時負イオン電流は増大し、同条件下では、プローブに流れる電子飽和電流も急増した。これらの事実に基づいて、プラズマシース方程式を使ったモデルを作り、その計算結果が実験結果をよく説明した。つまり負イオンのプラズマからの引き出しにはシース形成が重要な役割を果たしており、同じアーク条件下では、プラズマ電位を人為的に小さくすることによって、負イオンを効率よくプラズマから引き出せることが分かった。シートプラズマ形状はマルティカスプ形状に比べて、簡単にプラズマ電位をアークパワーを一定にしたまま変化させることができる。従って体積生成に基づいた負イオン源では、シートプラズマ形状は物理的に適していると考える。
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