研究課題/領域番号 |
63103001
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
都 福仁 北海道大学, 理学部, 教授 (10000837)
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研究分担者 |
永嶺 謙忠 東京大学, 理学部, 助教授 (50010947)
山崎 敏光 東京大学, 原子核研究所, 教授 (80011500)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ミュオンスピン緩和 / 相転移 / 四重極オーダー / ヤーンテラー効果 / 磁歪 |
研究概要 |
重い粒子系における磁性と超伝導の共存は従来のBCS型とは異なる新しい型の超伝導体としてその発生機構が物理的に興味あるものとして注目されている。CeCu_2Si_2で発表されるCe化合物はf電子が1個でありKramers doubletsの高濃度Kondo格子として比較的よく研究されているがURu_2Si_2のようなf電子が2個の糸では結晶場による基底状態がnon-Kramersになり、磁性および超伝導の発性機構の解明にはCe系より難しい。 これらf電子系ではスピン軌道相互作用が結晶場により大きく全角運動量Jが良い量子数である。f電子系ではf電子の四重極間相互作用が系の磁性に重要な寄与をするので、これ迄よく研究されているCeAg_<1-x>In_xについてμSRによる研究を行った。CeAgはCsCl型の立方晶でありT_Q=15Kで正法晶へ四重極間相互作用により構造相転移する。この物質はフェルミ準位の少し上にα-軌道より生じた狭いバンドがあり、電子数の増加により構造相転移温度が急激に上昇し、ネマルテンサイト転位(T_M)を示すようになる。CeAg_<1-x>In_xの場合、Ceの局在4f電子の四重極間相互作用による構造相転移からxの増大により5α-バンドの協力的John-Teller効果による構造相転移へと変化する。後者の場合状態密度の高い5αバンド電子が結晶場を遮蔽し、4f電子の磁気異方性エネルギーは小さくなる。CeAg_<21-x>In_xの強磁性転移温(5〜7K)はIn濃度で多少かわるがT_C近傍でのスピンのゆらぎはCeAgの場合大きな磁気異方性で抑えられるがCeAg_<0.97>In_<0.03>では磁気異方性エネルギーが小さく、スピンのゆらぎにほとんど影響を与えない。スピンのゆらぎの異方性エネルギーによる変調をCeAg_<1-x>In_x系についてμ^+スピンの緩和の実験により研究した。
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